この記事の監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次
- 30代子持ち世帯の貯金平均額
- 30代子持ち世帯が知っておくべき年代別貯金目標
- 20代の貯金目標
- 30代の貯金目標
- 40代の貯金目標
- 30代子持ちで貯金ができないという悩みはFPへの相談がおすすめ
- 30代子持ち世帯が貯金する際にやるべき5つのこと
- 1.ライフプランを立てる
- 2.家計簿を使って収支を把握する
- 3.先取り貯金をする
- 4.固定費を見直す
- 5.資産運用を始める
- 30代子持ち世帯が貯金をする際によくある失敗例とは?現役FPに聞いてみた【座談会】
- 貯蓄のシミュレーションをせずに始めてしまうケース
- 夫婦で貯蓄の目標や家計状況を共有できていないケース
- 30代子持ち世帯が準備すべき4つの資金
- 1.教育資金
- 2.住宅関連費用
- 3.老後資金
- 4.緊急予備資金
- 30代子持ち世帯におすすめの資産運用方法
- 定期預金・積立預金
- 財形貯蓄
- 学資保険
- アンケートからわかった30代子持ち世帯のリアルな声
- 節約を意識し始めたきっかけは?
- 子育て世帯が貯金を増やすためにやっていることは?
- 使っている家計管理ツールを教えてください
- 30代子持ち世帯の貯金に関するよくある質問
- なかなか貯金ができないのはなぜ?
- 無理なく貯金をするにはどうすればいい?
- 家族旅行やイベント費用と貯金を両立させるには?
- 30代子持ち世帯が無理なく貯金を増やすにはマネーキャリアがおすすめ
30代子持ち世帯の貯金平均額
30代子持ち世帯の平均貯金額は、子どもの教育費や生活費を考慮し、計画的に準備することが求められます。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によれば、30代子持ち世帯の貯金平均額は856万円とされています。
一方で厚生労働省の「令和4年国民生活基礎調査」データによれば、「貯金がない」と回答した子持ち世帯の割合は約9.2%に上ることも示されています。
30代子持ち世帯が知っておくべき年代別貯金目標
20代の貯金目標
20代は、将来の生活基盤を築くための準備期間です。
この年代の貯金目標は、急な出費に備える緊急予備資金や、結婚や引越しといったライフイベントの資金を蓄えることになります。
そのため、目安として生活費の3〜6か月分を貯金することが望ましいとされています。
また、20代で計画的な貯金習慣を身につけることは、30代以降の資金準備の基盤となるため重要ですので、まずは収支を把握し、無理のない金額から始めて、少しずつ貯金を増やしていきましょう。
30代の貯金目標
30代は、子どもの教育資金や住宅購入資金の準備が本格化する時期です。
この年代では、短期的な支出と長期的な目標の両立を意識した貯金計画を立てることが重要です。
たとえば、子どもの教育費として中学校卒業までにおよそ300万円を目安に貯めておくと安心です。さらに、高校・大学進学を見据えて追加の積立も検討する必要があります。
そのためには、先取り貯金や積立型の金融商品を活用し、無理のないペースで目標達成に向けた準備を進めましょう。
また、30代は収入が増える一方で支出も膨らみやすい時期です。家計全体を見直し、固定費や浪費を減らすことで、効率的に貯蓄を増やすことができます。
40代の貯金目標
40代では、教育資金や老後資金の準備が本格化します。
まず、この年代の貯蓄目標として意識したいのは、大学進学費用と老後の生活資金の確保です。
特に大学の入学費用や学費は高額になりやすく、子ども1人あたり最低でも500万〜1,000万円ほどの資金を見込む必要があります。
また、40代は収入がピークを迎える時期でもあるため、このタイミングを逃さず計画的に貯蓄を進めることが家計の安定につながります。
さらに教育費と老後資金の両方を見据えたうえで、どちらを優先すべきかを整理し、バランスよく資金を配分していくことが大切です。
30代子持ちで貯金ができないという悩みはFPへの相談がおすすめ
30代子持ち世帯が貯金する際にやるべき5つのこと

1.ライフプランを立てる
ライフプランニングは、30代子持ち世帯が貯金を計画的に進めるための基盤となる重要なステップです。
将来発生する教育資金や住宅取得費、退職後の生活費などを事前に想定し、戦略的な計画を構築することによって、明確な財務目標を設定することが可能になります。
まず、子どもの進学にかかる費用、住宅購入の際の自己資金、退職後の暮らしを支える資金などを洗い出し、各項目の必要額と準備期限を具体的に設定することが重要です。
そして、ライフプランを作成することにより、曖昧だった将来への不安が明確な数値として可視化され、現在取り組むべき行動が鮮明になるのです。
2.家計簿を使って収支を把握する
家計簿を活用することは、収支を正確に把握し、貯金を進める上で欠かせないポイントです。
特に30代の子育て世帯は、教育費や生活費など支出が多岐にわたるため、家計の全体像を「見える化」することが重要です。
そのため、毎月の収入と支出を記録し、どの項目に無駄があるのかを把握するようにしましょう。
また、スマートフォンの家計簿アプリを使えば、銀行口座やクレジットカードと連携して自動で記録できるため、忙しい家庭でも手間なく続けやすくなります。
3.先取り貯金をする
先取り貯金とは、収入が入った時点で一定額を貯金用口座に振り分ける方法です。
この仕組みを取り入れることで、無理なく計画的に貯金を増やすことができます。
さらに、給与振込と同時に自動で貯金口座へ振り替える設定をしておけば、使う前に自然と貯金できるため、意識せずに貯蓄を続けられる点も大きなメリットです。
4.固定費を見直す
固定費の見直しにより、30代の子持ち世帯でも家計に余裕を持たせることが可能です。
固定費には家賃、保険料、通信費などが含まれ、これらを見直すだけでも毎月の支出を抑えられます。特に固定費は一度削減すれば長期的な節約効果が続くため、貯金を増やすうえで大きな効果が期待できます。
例えば、スマートフォンを格安プランに切り替えたり、必要性の低い保険を見直したりするだけでも、月に数千円から1万円以上の節約につながることがあります。
5.資産運用を始める
30代子持ち世帯では、子どもの教育費や老後資金など長期的な目標に向けて運用を始めることで、資産形成を進められます。
例えば、つみたてNISAやiDeCoは少額から始められるため、初心者にも取り組みやすい選択肢といえます。また、これらの制度は税制優遇を受けられる点が特徴で、長期的に資産を増やしやすい点が特徴的です。
ただし、運用にはリスクが伴うため、家計に影響のない余裕資金から始め、無理のない範囲で継続することが重要です。
30代子持ち世帯が貯金をする際によくある失敗例とは?現役FPに聞いてみた【座談会】
30代は、住宅購入・教育費の本格化・老後資金の準備など、複数の資金イベントが同時に走り始める世代です。
貯蓄を始める人も多い一方で、実践の仕方を誤ると「思ったように貯まらない」という落とし穴にはまりがちです。
今回は、ファイナンシャルプランナー(FP)の加藤さんと池元さんに、30代子持ち世帯の貯蓄でありがちな“失敗パターン”についてお話を伺いました。

貯蓄のシミュレーションをせずに始めてしまうケース
——まずは、貯蓄の“最初のつまずき”について伺います。
加藤FP:この記事ですでに述べているように、ライフプランを立てて標金額を決めることはとても大切です。でも、そのあとの“具体的な貯め方”が抜け落ちてしまうと意味がありません。
池元FP:そうですね。たとえば「10年後に1000万円貯めたい」という目標を立てたのに、そこから毎月いくら積み立てればいいのか、どの方法で貯めるのか、そういった具体的な資産設計をしないままスタートしてしまうんです。
加藤FP:結果として、目標と現実の貯蓄ペースにズレが生まれて、後半で慌ててしまう。途中で「全然足りていない」と気づくパターン、本当に多いですよ。
池元FP:特に子育て世帯は、教育費の増加や住宅ローンの返済で家計が変動しやすいので、ざっくりした貯蓄計画では追いつかなくなります。目標から逆算した「毎月いくら・何年で・どの手段で」という具体化が大事です。
加藤FP:ライフプランはスタートラインであってゴールじゃない。計画を数字に落とし込んで初めて、無理なく続けられる現実的な貯蓄計画になりますね。
夫婦で貯蓄の目標や家計状況を共有できていないケース
——次に、夫婦間の意識の差による失敗について伺います。
池元FP:これは本当によくある話です。夫婦のどちらか片方だけが節約や貯蓄への意識が高くて、もう片方がピンと来ていないパターン。結果的に協力体制が取れず、貯蓄が進まないことがあります。
加藤FP:ありますね。貯蓄って一人で頑張ってもうまくいかないんです。生活費の使い方、ボーナスの使い道、固定費の見直しなど、夫婦の協力が前提になる部分が多いので、温度差があるとすぐにブレーキがかかります。
池元FP:たとえば、妻が「教育費のために貯金しよう」と頑張っても、夫が趣味や外食でどんどんお金を使ってしまっていたら、当然うまくいきませんよね。逆のパターンも同じです。
加藤FP:意識がズレたままスタートすると、どちらか一方が「自分ばっかり頑張っている」と感じるようになって、長続きしないんです。お金の話って、感情にも直結するんですよね。
池元FP:だからこそ、目標金額だけじゃなくて、「何のために」「どうやって」貯めていくのかを夫婦で共有しておくことが本当に大事です。片方の意識に頼らず、仕組みとして協力できる形をつくるのが理想です。
30代子持ち世帯が準備すべき4つの資金

30代の子持ち世帯が将来の家計を安定させるためには、以下の4つの資金を計画的に準備することが重要です。
では、各資金の具体的な準備方法について詳しく見ていきましょう。
1.教育資金
教育資金は、30代子持ち世帯にとって最も重要な資金の一つです。
文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によれば、公立高校3年間の学費は約178万円、私立高校の場合は約307万円にも達します。
さらに、大学進学時には初年度だけで数十万円から100万円以上の支出が必要です。
これらの費用を計画的に準備するためには、早い段階で貯蓄を始めることが重要です。
2.住宅関連費用
住宅関連費用も30代で準備を進めたい資金の一つです。
多くの家庭がマイホームの購入やリフォームを検討する時期であり、頭金や諸費用、さらにはローン返済の計画が必要です。
一般的に、住宅購入時には物件価格の10〜20%の頭金を用意することが推奨されています。
この金額を確保するためには、数年間にわたる計画的な貯蓄が重要です。
3.老後資金
老後資金の準備は、長期的な視点で進める必要があります。
定年退職後の生活費を補うためには、生活費の20〜30年分を目安に貯蓄を進めることが重要です。
公的年金だけでは老後の生活費を賄うのが難しい場合があるため、つみたてNISAやiDeCoなどの税制優遇制度を活用して資産形成を進めることが推奨されます。
4.緊急予備資金
緊急予備資金は、予期せぬ支出に備えるための資金です。
たとえば、急な医療費や修繕費、収入の減少時にこの資金があると家計の安定を維持できます。
一般的に、生活費の3〜6ヵ月分を目安に貯蓄することが推奨されます。
この資金は流動性の高い口座に保管し、いつでも引き出せる状態にしておくことが重要です。
30代子持ち世帯におすすめの資産運用方法
30代子持ち世帯の資産運用は、安全性と収益性のバランスが重要です。
以下の3つの運用方法は、リスクを抑えながら計画的な資産形成が可能です。
それでは、各運用方法の特徴と活用法について具体的に解説します。
定期預金・積立預金
定期預金や積立預金は、低リスクで始められる資産運用方法として、多くの30代の子持ち世帯に選ばれています。
定期預金は一定期間資金を預けることで、普通預金よりも高い利息が得られる特徴があります。
一方で積立預金は毎月決まった金額を預け入れる仕組みで、無理なくコツコツと貯蓄を増やせるのが魅力です。
財形貯蓄
財形貯蓄は、会社員や公務員が利用できる給与天引き型の貯蓄制度です。
この制度は、一般財形、住宅財形、年金財形の3種類があり、それぞれ異なる目的に応じた資金を効率よく準備できます。
とくに税制優遇がある点が特徴で、一定の条件を満たせば利息にかかる税金が非課税となるメリットがあります。
学資保険
学資保険は、子どもの教育資金を計画的に準備することを目的とした保険商品です。
一定の保険料を積み立てることで、契約時に設定した年齢に応じたタイミングで給付金を受け取れます。
また、契約者である親に万が一のことがあった場合、保険料の支払いが免除されると同時に、予定どおりの給付金が支払われるという保障が付いている点も大きな特徴です。
アンケートからわかった30代子持ち世帯のリアルな声
30代子持ち世帯が抱える家計管理や貯金に関する悩みは、多くの家庭で共通しています。
ここでは以下の3つのテーマに分けて、アンケート調査をもとに30代子持ち世帯のリアルな声を紹介します。
それでは、それぞれのテーマについて詳しく見ていきましょう。
節約を意識し始めたきっかけは?

アンケート調査の結果では、「子どもの誕生」という回答が全体の40.1%を占めました。
また、「住宅の購入」といった理由が20.6%、さらに「物価の高騰」と回答した世帯が18.3%、「収入の減少」が12.0%と続く結果となりました。
これらの結果から、子育て世帯は将来の大きな支出を見据えて節約を始めるケースが多いことがわかります。
子育て世帯が貯金を増やすためにやっていることは?

子育て世帯が貯金を増やすためにおこなっている工夫には、具体的な取り組みが多く見られます。
「先取り貯金をしている」と答えた家庭が52.8%と最も多く、次いで「固定費を見直した」という回答が35.2%を占めています。
また、「副業を始めた」という回答も7.2%に上り、収入を増やす取り組みを行っている世帯も一定数いることがわかりました。
使っている家計管理ツールを教えてください

この調査では、「スマートフォンアプリを使っている」と回答した世帯が53.2%と最も多く、手軽に使えるデジタルツールの人気がうかがえます。
一方、「手書きの家計簿を使っている」という回答は28.5%、「エクセルやスプレッドシートを利用している」が11.1%と続きました。
30代子持ち世帯の貯金に関するよくある質問
30代の子持ち世帯は、貯金について多くの悩みがあります。
ここでは3つの質問に焦点を当て、具体的な解決策を解説します。
それでは、具体的な回答を見ていきましょう。
なかなか貯金ができないのはなぜ?
なかなか貯金ができない理由には、収支の不明瞭さや計画性の欠如が挙げられます。
多くの30代子持ち世帯では、教育費や生活費などの支出が増える一方で、収入に見合った貯金計画が立てられていない場合があります。
また、固定費が過剰な割合を占めていることや、無駄な出費に気づけていないことも原因となります。
無理なく貯金をするにはどうすればいい?
無理なく貯金をするためには、先取り貯金の実践を検討してください。
収入が入った時点で一定額を貯金用の口座に振り分け、使える金額を自然に制限し、計画的に貯金を進められます。
具体的には積立型の金融商品や財形貯蓄を活用することで、より計画的に無理なく貯金を増やせます。
家族旅行やイベント費用と貯金を両立させるには?
家族旅行やイベント費用と貯金を両立させるには、特定の目的に応じた貯金をあらかじめ準備しておくことがポイントです。
これにより、日常の貯金計画を崩すことなく楽しみを実現できます。
たとえば、毎月少額を「旅行費用」や「イベント用貯金」として専用の口座に積み立てることで、負担なく資金を準備できます。
30代子持ち世帯が無理なく貯金を増やすにはマネーキャリアがおすすめ
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