内容をまとめると
- 子どもの教育費は幼稚園から大学まで全部で1,000万円以上かかるが、公立か私立か、兄弟は何人いるかによって必要な教育費は大きく変わる
- 教育費を準備する方法には、銀行の定期預金や学資保険、つみたてNISAやiDeCoなどいろいろな選択肢があるが、家庭ごとの収入や将来の計画に合わせて選択する
- 教育費の計画は住宅ローンや老後の資金なども含めた家計全体で考えることが重要なため、専門家に相談して家庭の状況に合った具体的なアドバイスがもらうのがおすすめ
- 相談満足度98.6%、10万件以上の実績があり、資格を持ったFPが教育資金だけでなく家計全体のバランスを見ながら無料でアドバイスしてくれるマネーキャリアなら、土日祝日も対応しているので気軽に相談できる
監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
>> 井村 那奈の詳細な経歴を見る
この記事の目次
- 幼稚園から大学までの子供の平均教育費を紹介
- 幼稚園の教育費
- 小学校の教育費
- 中学校の教育費
- 高等学校(全日制)
- 大学
- 大学入学までにいくら貯蓄しとくべき?
- 子供1人にかかる学費をシミュレーション
- 全て国公立・私立の場合
- 高校・大学から私立の場合
- 大学のみ私立の場合
- 子供2人の教育費はいくら貯めるべき?
- 子供の教育費を貯める際によくある失敗例とは?現役FPに聞いてみた【座談会】
- 子供が成長してから準備を始めようとするケース
- 進学ルートの見込みを立てないケース
- 教育費の負担を軽減してくれる助成金や給付金を紹介
- 幼稚園で利用可能な制度
- 小学校で利用可能な制度
- 中学校で利用可能な制度
- 高等学校(全日制)で利用可能な制度
- 子供の大学費用がない場合に利用可能な制度
- 大学卒業までの子どもの学費を貯めるためにできること3選!
- 定期預金や積立定期預金を始める
- 学資保険に加入する
- NISAやiDeCoで投資を始める
- 年収別の子供の教育費の目安
- 年収400万円台の家庭の教育費
- 年収600万円台の家庭の教育費
- 年収800万円以上の家庭の教育費
- 子供の学費に関するよくある質問
- 塾や習い事の費用はどれくらい見込むべき?
- 教育費の準備はいつから始めるべき?
- 子供の学費に関する悩みを解消するには?
- 子どもの学費はいくら?のまとめ
幼稚園から大学までの子供の平均教育費を紹介
子どもの教育について、以下の項目で解説します。
- 幼稚園の教育費
- 小学校の教育費
- 中学校の教育費
- 高等学校(全日制)の教育費
- 大学の教育費
- 大学入学までにいくら貯蓄しておくべきか
子どもの教育費は各段階で異なるため、計画的な貯蓄が大切です。
また、教育費の無償化が進む中で一部の私立学校の学費は上昇傾向にあり、将来を見据えた教育ローンや学資保険の活用も検討する必要があります。
さらに、「ひとり1,000万円」と言われる学費の根拠や、効果的な準備方法についても解説していきます。
幼稚園の教育費
| 国公立 | 私立 | |
|---|---|---|
| 学校教育費 | 61,156 | 134,835 |
| 学校給食費 | 13,415 | 29,917 |
| 学校課外活動費 | 90,555 | 144,157 |
| 学習費総額 | 165,126 | 308,909 |
(参照:令和3年度 子供の学習費調査|文部科学省)
私立幼稚園の費用は国公立の約1.9倍に上り、特に教育費本体と課外活動費の項目で顕著な開きが見られます。
公立と私立では、教育カリキュラムや設備の充実度に差があるため、各家庭の教育観や経済状況に合わせた判断が求められるでしょう。
なお、私立幼稚園に通う園児の割合は約87%に達しており、多くの家庭が私立を選択している実態があります。
自治体ごとに助成制度が用意されているケースも多いため、利用可能な支援策を調べて活用することで、教育費の負担を和らげることができます。
小学校の教育費
| 国公立 | 私立 | |
|---|---|---|
| 学校教育費 | 65,974 | 961,013 |
| 学校給食費 | 39,010 | 45,139 |
| 学校課外活動費 | 247,582 | 660,797 |
| 学習費総額 | 352,566 | 1,666,949 |
(参照:令和3年度 子供の学習費調査|文部科学省)
国公立小学校の年間費用が約35万円であるのに対し、私立小学校は約166万円と約4.7倍に達します。
中でも教育費本体と課外活動費において、私立は大幅に高額となる傾向が見られます。
文部科学省の統計では、私立小学校在籍者は全体のわずか1.3%にとどまり、大多数の家庭は公立を選択しています。
ただし、公立であっても習い事や学習塾といった課外活動への支出が膨らみ、家計を圧迫するケースは少なくありません。
中学校の教育費
以下は、文部科学省の「令和3年度 子供の学習費調査」による、中学校の年間学費の内訳です。
| 国公立 | 私立 | |
|---|---|---|
| 学校給食費 | 132,349 | 1,061,350 |
| 学校給食費 | 37,670 | 7,227 |
| 学校課外活動費 | 368,780 | 367,776 |
| 学習費総額 | 538,799 | 1,436,353 |
(参照:令和3年度 子供の学習費調査|文部科学省)
国公立中学校の年間費用が約54万円であるのに対し、私立中学校は約143万円と約2.7倍の開きがあります。
文部科学省のデータでは、私立中学在籍者の割合は7.6%にとどまり、大多数は公立へ進学している状況です。
私立は授業料が高額ですが、課外活動費については公立でも高校入試対策の塾や家庭教師への支出が膨らむため、両者の差は縮まります。
受験に向けた学習費用が家計に大きく響く可能性があるため、塾代などを含めた総合的な教育費を見据えた資金計画が欠かせません。
高等学校(全日制)
以下は、文部科学省の「令和3年度 子供の学習費調査」による、高等学校(全日制)の年間学費の内訳です。
| 国公立 | 私立 | |
|---|---|---|
| 学校給食費 | 309,261 | 750,362 |
| 学校給食費 | ー | ー |
| 学校課外活動費 | 203,710 | 304,082 |
| 学習費総額 | 512,971 | 1,054,444 |
(参照:令和3年度 子供の学習費調査|文部科学省)
私立と公立の費用には大きな開きがあり、特に授業料を含む学校教育費の項目で顕著な差が生じています。
文部科学省のデータでは、私立高校への進学率は33.6%と比較的高く、3人に1人程度が私立を選択している状況です。
私立高校に進む場合、学費に加えて受験対策や入学準備に伴う出費も発生するため、家計への負担は一層大きくなります。
進学を検討する際には、学費だけでなく関連費用も含めて全体像を把握し、早い段階から資金準備を進めることが大切です。
大学
以下は、文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」と「令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額」による、大学の初年度学費の内訳です。
| 年間授業料 | 施設設備費 | 入学料 | 総額 | |
|---|---|---|---|---|
| 国立大学 | 535,800 | - | 282,000 | 2,425,200 |
| 公立大学 | 536,363 | - | 391,305 | 2,536,757 |
| 私立文科系大学 | 815,069 | 148,272 | 225,651 | 4,079,015 |
| 私立理科系大学 | 1,136,074 | 179,159 | 251,029 | 5,511,961 |
| 私立医歯系学部 | 2,882,894 | 931,367 | 1,076,278 | 23,961,844 |
(参照:国公私立大学の授業料等の推移|文部科学省 / 令和3年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額|文部科学省)
この費用差は、私立大学への進学を検討する際に特に注意すべき要素です。
文部科学省の統計では、国公立大学在学生が全体の21.9%であるのに対し、私立大学は78.1%を占めており、多くの家庭が私立を選択している実態があります。
大学進学を見据えるなら、早期からの計画的な資金準備が欠かせません。
大学入学までにいくら貯蓄しとくべき?
以下は、大学の進学先ごとの学費になります。
| 進学する大学 | 必要な費用 |
|---|---|
| 国公立 | 約240万 |
| 私立文系 | 約400万 |
| 私立理系 | 約550万 |
| 私立医歯系 | 約2,400万 |
子どもが大学に入学するまでに、最低でもこれだけの金額を用意しておく必要があります。
特に私立大学や医歯系学部への進学を想定する場合、学費負担は相当な額に上るため、貯蓄や学資保険を計画的に活用し、必要に応じて奨学金制度も検討することが重要です。
各家庭の収支状況に合わせて無理なく積み立てていくことが、子どもの将来を支える確かな土台となるでしょう。
子供1人にかかる学費をシミュレーション

- 全て国公立・私立の場合
- 高校・大学から私立の場合
- 大学のみ私立の場合
全て国公立・私立の場合
全て国公立・私立の場合の学費は、下記の表の通りです。
| 全て国公立の場合 | 全て私立の場合 | |
|---|---|---|
| 幼稚園 | 495,378 | 926,727 |
| 小学校 | 2,115,396 | 10,001,694 |
| 中学校 | 1,616,397 | 4,309,059 |
| 高等学校(全日制) | 1,538,913 | 3,163,332 |
| 大学 | 2,480,979 | 4,690,467 |
| 計 | 8,247,063 | 23,091,279 |
引用:文部科学省『結果の概要・平成30年度子どもの学習費講座』 / 『私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について』
全て国公立の学校に通う場合、約824万円の学費がかかり、全て私立の学校に通う場合は約2,309万円と、国公立の約3倍の費用が必要になります。
しかし、実際には幼稚園から大学までをすべて国公立や私立で通い続けるケースは少なく、進学段階ごとに異なる選択をする家庭がほとんどです。
例えば、小中学校は国公立、高校から私立というルートを取る家庭も多いため、より現実的な進学ルートに基づいて資金計画を立てることが重要です。
高校・大学から私立の場合
高校から私立に進学する場合、総額で約1,200万程度の学費が必要となります。
| 高校/大学が私立 | |
|---|---|
| 幼稚園 | 495,378 |
| 小学校 | 2,115,396 |
| 中学校 | 1,616,397 |
| 高等学校 | 3,163,332 |
| 大学 | 4,690,467 |
| 計 | 12,080,970 |
引用:文部科学省『結果の概要・平成30年度子どもの学習費講座』 / 『私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について』
この進学ルートでは、幼稚園から中学校までの国公立の学費が比較的低く抑えられますが、高校から私立に進学することで、学費が大きく増加します。
特に、私立大学の学費が大きな割合を占めるため、計画的な資金準備が不可欠です。
国公立と私立の組み合わせによる進学パターンを考慮した上で、貯蓄や学資保険、奨学金などの選択肢を検討することが重要です。
大学のみ私立の場合
高校まで公立、大学のみ私立に通う場合の学費は、約1,045万円になります。
| 大学のみ私立 | |
|---|---|
| 幼稚園 | 495,378 |
| 小学校 | 2,115,396 |
| 中学校 | 1,616,397 |
| 高等学校 | 1,538,913 |
| 大学 | 4,690,467 |
| 計 | 1,045,651 |
文部科学省『結果の概要・平成30年度子どもの学習費講座』 / 『私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について』
私立大学のみを選択するケースは、費用を抑えながらも高等教育を私立で受けたい家庭に多い選択肢です。
高校までの公立進学で費用を抑えた分、大学進学のための資金を計画的に準備することが重要です。
教育費は長期にわたるため、早めに貯蓄や奨学金の活用を検討し、進学に備えましょう。
子供2人の教育費はいくら貯めるべき?
子供2人の教育費を準備するには、公立のみの場合でも約1,200万円、私立を含む場合は約2,000万円以上を目安に考える必要があります。
例えば、幼稚園から高校まで全て公立であれば、2人分で約1,200万円かかります。
私立を選ぶとさらに費用が増え、進学ルートによっては合計で2,000万円を超えることもあります。
特に、私立大学進学を想定すると、1人あたり約400万~600万円が必要となり、2人分で800万~1,200万円の学費が見込まれます。
また、学校外活動費や塾代などの付随費用も加味し、計画的に貯蓄を進めることが重要です。
進学ルートを具体的にシミュレーションすることで、各段階でどれだけの資金が必要かを把握しやすくなります。
子供の教育費を貯める際によくある失敗例とは?現役FPに聞いてみた【座談会】
教育費の準備は早いほど安心といわれますが、実際には思うように進まないケースも多いものです。
今回は、ファイナンシャルプランナー(FP)の加藤さん、奥山さんのお二人に、教育費の貯め方でよくある“つまずきやすいポイント”と、その背景にある考え方について語ってもらいました。
専門家ならではの視点から、同じ失敗を防ぐためのヒントを座談会形式でお届けします。

子供が成長してから準備を始めようとするケース
——まずは、子供が成長してから教育費の準備を始めようとしてうまくいかなかったケースについて伺います。
加藤FP:お子さんが中学や高校に入ってから「そろそろ教育費を準備しようかな」と考える方もけっこういらっしゃいます。ただ、進学直前だと積立できる期間が限られてしまうので、思ったように準備できないこともあるんですよね。
奥山FP:そうですね。たとえば大学の入学金や初年度の費用って、ある程度まとまった金額が必要になります。短期間でそれを貯めるのは難しくて、結果的に教育ローンを検討する方もいるようです。
加藤FP:「高校までは公立で大丈夫」と考えていたけれど、お子さんの希望で私立を選ぶことになって負担が増える、というケースもあります。進路の選択肢が広がる分、早めに備えておくと安心ですね。
奥山FP:そうですね。お子さんが小さいうちから少額でも積み立てていけば、10年後にはそれなりの金額を確保できます。
加藤FP:途中で家計の状況が変わることもありますし、その都度、積立額を見直せる仕組みを使うのもいいと思います。たとえばNISAや定期預金など、柔軟に調整できる制度もありますから。
奥山FP:そうですね。最初から完璧な計画を作ろうとしすぎず、「とりあえず始めて、あとから整える」くらいの気持ちでいいので、とにかく早めに始めることを意識してほしいです。
進学ルートの見込みを立てないケース
——次に、進学ルートを具体的に想定せずに計画してしまうケースについてはいかがですか。
奥山FP:これは本当に多いです。「大学には行くと思うけど、どんな学校かまではまだ決まっていない」という感じで、なんとなくの金額で貯め始める方もいますね。
加藤FP:そうですよね。進学先によって必要な費用はかなり違います。例えば国公立と私立では学費に差がありますし、下宿する場合は家賃や生活費もかかってきます。
奥山FP:そうなんです。そのあたりを具体的に考えていないと、「思ったよりお金がかかるな」と感じることもあります。お子さんの希望が変わることもあるので、複数の進学ルートを想定しておくのが理想かなと思います。
加藤FP:たしかに。進路ごとにざっくりとした費用感を知っておくだけでも、家計の見通しが立てやすくなりますよね。特に入学時のまとまった支出や在学中の生活費は意外と盲点だったりします。
奥山FP:そうですね。支払いのタイミングも整理しておくと、どの時期にどのくらい必要になるのかが見えてきます。それがわかると、積立のペースも決めやすくなるんですよ。
加藤FP:教育費って“まだ先の話”に感じる方も多いですが、こうして具体的にイメージしてみるだけでも、行動のきっかけになると思います。
教育費の負担を軽減してくれる助成金や給付金を紹介
各教育段階で利用可能な支援制度や資金調達方法は下記です。
- 幼稚園で利用可能な制度
- 小学校で利用可能な制度
- 中学校で利用可能な制度
- 高等学校(全日制)で利用可能な制度
- 大学で利用可能な制度
幼稚園で利用可能な制度
幼稚園で利用可能な制度は、「幼児教育・保育の無償化」です。
この制度により、3歳から5歳までのすべての子どもが対象となり、幼稚園や保育所、認定こども園の利用料が月額上限2.57万円まで無償となります。
また、0歳から2歳までの子どもがいる住民税非課税世帯にも利用料が無料になる支援が提供されています。
以前存在していた「私立幼稚園等就園奨励補助制度」は2019年9月に廃止され、同年10月からこの無償化政策が導入されました。
お子さんの入園前に、地方自治体の窓口や公式ウェブサイトで最新の支援制度を確認し、適切な支援を受ける準備をしておきましょう。
小学校で利用可能な制度
小学校に通うお子様がいるご家庭で、経済的な理由で教育費の負担が難しい場合、「就学援助制度」を活用することができます。
この制度では、学用品や通学用品の購入費用、さらには遠足や修学旅行の費用なども支援対象となることがあります。
就学援助の支援内容は、お住まいの市町村によって異なるため、詳細は市町村の窓口や公式ホームページで確認することをおすすめします。
必要な支援を受けるためにも、早めに地元の役所に相談し、適切な手続きを進めましょう。
中学校で利用可能な制度
中学生を持つご家庭で経済的な困難がある場合、「就学援助制度」を利用できる可能性があります。
この制度では、学用品費や通学用品費に加え、修学旅行費、クラブ活動費、生徒会費、PTA会費などの学校生活に関わる費用が支援対象となります。
支援を受けるための条件は自治体によって異なるため、詳細な情報はお住まいの市町村役場の窓口や公式ホームページで確認することが重要です。
就学援助制度を活用することで、教育にかかる経済的負担を軽減し、お子様の学習環境を整える助けとなるでしょう。
高等学校(全日制)で利用可能な制度
高校生を持つ保護者向けには、「高等学校等就学支援金制度」という公的な助成制度があります。
この制度は、国公立・私立を問わず、全ての高等学校に通う生徒が対象で、経済的負担を軽減し、より多くの生徒が高等教育を受けられることを目的としています。
支援の対象は、年収約910万円以下の家庭が基本となり、支給額は条件により異なります。
基本的な支給額は月額9,900円ですが、公立高校生や通信制私立高校生の場合、この金額が1.5倍から2.5倍に増額されることがあります。
また、私立高校に通う生徒の場合、年収約590万円以下の家庭では、月額33,000円に増額されることもあります。
支給額は、保護者の働き方や家庭状況(兄弟姉妹の有無など)によっても変動するため、事前に確認することが重要です。
子供の大学費用がない場合に利用可能な制度
大学進学に伴う学費の負担が大きい場合、奨学金や教育ローンなどの支援制度を活用することができます。
まず、奨学金は大きく分けて返済が不要な「給付型」と、返済が必要な「貸与型」の2種類あります。
日本学生機構による奨学金は代表的で、学業成績や家庭の経済状況に応じて選択できます。
また、大学や地方自治体、民間団体が提供する奨学金もあり、各団体の条件に合った奨学金を選ぶことが可能です。
次に、国の教育ローンは、学費や生活費をサポートするための制度で、低金利での借入が可能です。
日本政策金融公庫が提供するこのローンは、世帯年収や扶養人数によって借入限度額が異なり、最大で350万円まで利用できます。
大学卒業までの子どもの学費を貯めるためにできること3選!

- 定期預金や積立定期預金を始める
- 学資保険に加入する
- NISAやiDeCoで投資を始める
定期預金や積立定期預金を始める
定期預金は、使う予定のない資金を一定期間預けることで、計画的に貯蓄を進める方法です。
現在の低金利状況では利息がほとんど期待できないため、大きな増額効果は見込めませんが、資金を固定して使わない仕組みを作るという点では効果的です。
また、期間の満了までは引き出せないため、貯蓄を確実に進めることができます。
積立定期預金は、毎月決まった金額を普通預金から自動的に振り替える仕組みで、無理なく計画的に貯蓄を積み立てることができます(※)。
金額は状況に応じて調整可能で、給与の振込日に合わせて自動で積立を行うことにより、給与天引きのようにコツコツと貯金を進めることができます。
定期預金や積立定期預金は、リスクが少なく安全に貯蓄を進めたい方に適した方法なので、少しずつでも子どもの学費を確保するための基盤作りとして有効です。
※参照:積立定期預金|全国銀行協会
学資保険に加入する
学資保険は、満期保険金や解約返戻金を受け取れる保険で、学資目的として利用することができます。
必要な時に途中解約や満期を迎えた際の保険金を学費に充てられるため、計画的な貯蓄手段として有効です。
契約内容によっては、支払った保険料よりも受け取る保険金が多くなる可能性があります。
特に、被保険者が両親の場合、万が一の際にまとまった保険金が受け取れるのが大きなメリットです。
終身保険や学資保険、外貨建て保険などが代表的な選択肢です。
NISAやiDeCoで投資を始める
学費を貯めるためには、新NISAとiDeCoを効果的に活用する方法があります。
以下の表で2つの制度を比較し、それぞれの特徴を把握しましょう。
| 新NISA | iDeCo | |
|---|---|---|
| 目的 | 学費や長期資産形成 | 老後資金の準備 |
| 年間投資枠 | 最大360万円 (つみたて投資枠と成長投資枠を併用) | 個人の所得や勤務形態により異なる (年間14.4万~81.6万円) |
| 非課税保有期間 | 無期限 | 60歳以降 |
| 税制優遇 | 運用益が非課税 | 掛金全額が所得控除、運用益非課税 受け取り時も控除あり |
| 資金引き出し | いつでも可能 | 60歳まで引き出し不可 |
(参照:新NISA|金融庁 / iDeCo公式サイト|国民年金基金連合会)
新NISAは、長期的な資産形成を目指し、学費や将来の資金を非課税で運用するのに適しています。
非課税枠が無期限であるため、資金を効率的に運用しながら、いつでも引き出しが可能です。
iDeCoは、税制上の大きなメリットがありますが、60歳まで資金を引き出せないため、老後資金のための貯蓄手段として利用されます。
教育資金の準備には、新NISAがより適した選択肢と言えるでしょう。
年収別の子供の教育費の目安
ここでは、子供の教育費に関連して多くの親御さんから寄せられる質問にお答えします。
以下の質問と回答を押さえると、教育費の全体像だけでなく、見落としがちな追加費用についても理解でき、より現実的な教育資金計画が立てられます。
年収400万円台の家庭の教育費
年収400万円台の家庭では、公立学校を中心とした教育プランが現実的な選択となります。
この収入帯だと、教育費は家計支出の15~20%程度に抑えるのが理想的です。公立小中高から国公立大学のルートなら総額500万円程度で済む可能性があります。
教育費の負担を軽減するには、自治体の就学援助制度や高等教育の修学支援新制度などの公的支援を積極的に活用することが重要です。
また、教育費準備と住宅ローン返済が重なる時期は特に家計が厳しくなるため、住宅購入のタイミングや借入額の検討が必要です。
共働きへの移行も選択肢の一つですが、その場合は子供の教育環境の変化にも配慮しましょう。
計画的な準備と公的支援の活用が、この収入帯での教育費対策の鍵となります。
年収600万円台の家庭の教育費
年収600万円台の家庭では、公立と私立を選択的に組み合わせた教育プランが可能になります。
例えば公立小中学校から私立高校・大学というルートや、中高一貫の私立校を選ぶ余地があります。
この収入帯では教育費に家計支出の20~25%程度を充てることができれば理想的です。
年収600万円台でも教育費と老後資金の両立が課題となるため、学資保険だけでなく、つみたてNISAやiDeCoなど資産運用も視野に入れた準備が効果的です。
塾や習い事は子供の適性や希望を考慮して優先順位をつけるようにして、やみくもに手を出さないよう注意しましょう。
教育ローンの活用も選択肢ですが、返済計画を綿密に立てることが重要です。公立・私立の選択肢を検討しながら、家計全体のバランスを考えた教育費計画を立てるのが重要です。
年収800万円以上の家庭の教育費
年収800万円以上の家庭では、私立学校選択や海外留学なども視野に入れた幅広い教育プランが検討可能です。
この収入帯でも教育費は家計支出の25~30%程度に抑え、他の資産形成とのバランスを取るのが重要です。
ただし、私立一貫校から私立大学までのルートでは総額2,000万円を超える可能性もあるため、長期的な資金計画が必須となります。
教育資金の贈与税非課税制度(1,500万円まで)や、ジュニアNISAなどの税制優遇措置を活用すれば効率的な資金準備ができます。
また、祖父母からの教育資金援助をもらえる場合は、相続対策にもなります。
収入が高くても教育費は家計の大きな負担となるため、資産運用や税制優遇を賢く活用した総合的な教育資金戦略を立てましょう。
子供の学費に関するよくある質問
ここでは、子供の教育費に関連して多くの親御さんから寄せられる質問にお答えします。
以下の質問と回答を押さえると、教育費の全体像だけでなく、見落としがちな追加費用についても理解でき、より現実的な教育資金計画が立てられます。
塾や習い事の費用はどれくらい見込むべき?
塾や習い事の費用は子供の年齢や種類によって変わりますが、一般的には月額5,000円~30,000円程度が相場です。
学習塾は小学生で月額約1万円、中学生で約2万円、高校生で約3万円が目安となります。
特に中学受験や高校受験の時期には、長期休みの講習や特別講座などで一時的に費用が跳ね上がることも考慮すべきです。
また、ピアノやスイミングなどの習い事は月額5,000円~15,000円程度、英会話は月額10,000円~20,000円程度かかります。
これらの費用は地域差も大きいため、お住まいの地域の相場を調べておくと良いでしょう。
教育費全体の計画を立てる際は、これらの塾・習い事費用も含めて余裕をもった準備が必要です。
教育費の準備はいつから始めるべき?
教育費の準備は子供が生まれたらすぐに始めるのが理想的です。早期に開始できれば少額の積立でも複利効果により大きな資金になります。
例えば、毎月1万円を0歳から18歳まで積み立てると、年利2%の場合約250万円になりますが、小学校入学時から始めると約180万円にとどまります。
ただし、遅れて始めた場合でも、積立額を増やすことで挽回可能です。重要なのは家計の状況に合わせた無理のない計画を立てることです。
住宅ローンなど他の大きな支出とのバランスを考慮し、教育費の優先度を家族で話し合いながら決めていきましょう。
いつ始めるかよりも、計画的に継続できる仕組みをしっかりと作る方が重要です。
子供の学費に関する悩みを解消するには?
子どもの大学までの教育費を考えると、早い段階から教育費を準備するのは重要ですが、どのタイミングでもさまざまな悩みはでてしまいます。
子どもが小さいうちは計画的な教育費の積み立てを、子どもが大学に近くなってきても教育費に余裕がない場合は奨学金や教育ローンも検討してみましょう。
できるだけ余裕をもって教育費を準備できるのが理想的ですが、準備不足でこれらか対策を考えなければならない人は、実績豊富なFPが多数在籍しているマネーキャリアのような無料相談窓口を利用して、これからでもできる対策がないか相談してみましょう。
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- 幼稚園から大学までにかかる教育費や、そのシミュレーションを提案してくれる
- 家計も含めた計画的な教育費の積み立てのアドバイスがもらえる
- LINEでも簡単に予約できるので、忙しい方でも相談がしやすい
子どもの学費はいくら?のまとめ
本記事では幼稚園から大学まで、子どもにかかる学費はどれくらいなのかや、どのくらい教育費を貯めておけばいいのかについて詳しく解説しました。
ポイントをまとめると以下のようになります。
- 幼稚園から大学まで、子ども1人につき必要な教育費は約1,000万円
- 子どもの人数や、私立か公立かで大きく金額は変わる
- 子どもの大学卒業まで十分な教育費を貯めるには定期預金や学資保険などの資産運用も重要
- 用意できる教育費は家計全体の収入にもよるため、無理のない範囲で家計と併せて長期的な計画を立てる必要がある
- 自分で総合的な長期計画を立てるのが難しいと感じる場合は、お金のプロに相談する手もある