養老保険の基礎知識
養老保険とは
養老保険とは、一定期間の死亡保障と満期保険金を同時に備えられる生命保険*¹です。
保険期間中に死亡した場合は死亡保険金が、満期まで生存したときには満期保険金が同額に設定されている点が大きな特徴です。
この仕組みにより、一定期間の死亡保障と計画的な貯蓄を同時に進められる点が利点です。
積立期間中に万一の事態が発生しても、目標としていた積立額がそのまま受け取れるため、将来の大きな支出に備えやすくなります。
ただし低金利が続いてる状況では、満期保険金が払込総額を下回るケースがあります。
そのため、貯蓄性だけを期待するのではなく、一定期間の保障を確保しながら計画的に積み立てたいときに検討する姿勢が重要です。
解約返戻金は加入時期や経過年数によって変わるため、解約を検討する際には返戻率のシミュレーションが欠かせません。
*¹ 他の生命保険(終身保険・定期保険)との比較は「終身保険とは」にて解説しているので合わせてご確認ください
養老保険のメリット・デメリット

養老保険は、死亡保障を備えながら満期時には満期保険金を受け取れるため、保障と貯蓄を一つの契約で準備できる点が大きな特徴です。
一方、貯蓄性がある分だけ保険料は高くなる傾向があり、必要な保障額を確保しにくい場合があります。
また、満期で契約が終了するため、生涯保障を求める人には不向きといえます。
養老保険のメリットとデメリットについて解説していきます。
養老保険のメリット
- ライフステージに応じて保障期間を設定できる
- 死亡保険と生存保険(満期保険金)を同時に備えることができる
- 解約返戻金を受け取れる
ライフステージに応じて保障期間を設定できる

養老保険には、10年・15年など一定期間で満期を迎える年満了タイプと、60歳・65歳といった年齢で満期を迎える歳満了タイプがあり、将来の資金需要に合わせて期間を選べます。
例えば、教育費が必要となる時期に向けて準備したい場合は、子どもの大学入学年を満期に設定することで、在学期間中の保障を確保しながら満期時に保険金を受け取れます。
退職後の生活資金を重視する場合は、定年予定の年齢に満期を合わせると、現役時代の保障と老後資金の準備を一契約で管理しやすくなります。
さらに、満期保険金の据え置き機能がある商品であれば、受取時期を後ろ倒しすることによって、必要なタイミングに合わせて活用することも可能です。
死亡保険と生存保険(満期保険金)を同時に備えることができる
死亡保険と生存保険(満期保険金)を同時に備えられる点は、養老保険ならではの仕組みです。
養老保険では、保障期間中に万一の事態が発生した場合、死亡保険金が受取人に支払われ、遺族の生活を支える資金として役立ちます。
積立の早い段階で万一の事態が生じても一定額を受け取れるため、貯蓄計画が中断する不安を抑えられる点は大きな利点です。
一方、保険期間を無事に満了した場合には、死亡保険金と同額の満期保険金が受け取れます。
養老保険は保障と貯蓄の二つの役割を一つの契約で両立できるため、計画的に資金を積み立てながら、一定期間のリスクにも備えたい人に適した保険です。
解約返戻金を受け取れる
養老保険では、保険期間の途中で解約した場合でも、払い込んだ保険料の一部が「解約返戻金」として戻ります。
返戻金の金額は、加入してからの経過年数や払込保険料の総額によって変動し、一般的に契約初期は少なく、期間が進むにつれて徐々に増えていく仕組みです。
解約時には手数料や諸経費が差し引かれる場合があり、受け取る金額が想定より少なくなることもあるため、事前の確認が欠かせません。
円建ての場合は返戻金が払い込んだ保険料を上回ることが少ないため、解約のタイミングはライフプランに沿って慎重に検討しましょう。
養老保険のデメリット
- 保険料が高くなりやすい傾向
- 満期保険金や解約返戻金が元本割れする可能性
- 満期後の保障の更新ができない保険商品が多い
保険料が高くなりやすい傾向

養老保険は貯蓄性があるため、同じ死亡保険金額を準備する場合でも、掛け捨て型の定期保険や終身保険と比較すると保険料が高くなる傾向があります。
これは、満期保険金や解約返戻金として将来受け取れる金額が設計に含まれているためです。
支払える保険料を基準に保障額を決めると、必要な保障を十分に確保できない場合もあります。
また、加入後に保険料負担が大きくなり、途中解約すると返戻金が払込保険料を下回る元本割れとなるリスクもあるため、加入前に支払能力や目的を慎重に確認することが大切です。
満期保険金や解約返戻金が元本割れする可能性

以前は満期保険金が払込保険料を上回る商品もありましたが、長期的な低金利環境により、現在は満期保険金が払込総額を下回るケースが増えています。
外貨建ての養老保険では、受取時の為替レートによっては円換算の受取額が払込額を下回る可能性があります。
中途解約の返戻金はどの保険でも加入初期は低く、払込額を下回るのが一般的です。
契約前に返戻率の推移を確認し、元本割れのリスクを踏まえて判断しましょう。
満期後の保障の更新ができない保険商品が多い
養老保険は、満期を迎えると契約が終了し、その後の保障を更新できないことが多い保険です。
定期保険のように同条件で更新する仕組みがないため、満期後も死亡保障を持ち続けたい場合に新たに保険へ加入する必要があります。
再度告知が求められるため、健康状態によっては加入が制限されたり、保険料が高くなることもあります。
養老保険に医療特約や災害特約を付けていた場合も、満期と同時に特約が終了するため、事前に保障の見直し計画を立てることが重要です
養老保険の必要性

養老保険をおすすめできる人・おすすめできない人の特徴を整理していきます。
養老保険をおすすめできる人
- 一定期間の保障も備えながら、貯蓄もしたい人
- 将来のライフイベントに合わせて保険金を受け取りたい人
- 貯蓄が苦手な人
一定期間の保障も備えながら、貯蓄もしたい人
一定期間の保障を確保しながら、将来に向けた貯蓄も同時に進めたい人には、養老保険がおすすめです。
保障期間中に万一の事態が起きれば死亡保険金が支払われ、満期を迎えれば満期保険金を受け取れるため、保障と貯蓄を一つの契約で管理できる点が特長です。
将来のライフイベントに合わせて保険金を受け取りたい人
養老保険は、あらかじめ満期時期を設定できるため、子どもの進学や住宅購入、定年退職など、資金が必要になる時期に合わせて満期保険金を受け取る設計が可能です。
商品によっては、満期到来後も保険金の受取を据え置いたり、年金形式で分割受取を選べる場合もあります。
受取時期や方法を調整しながら、必要なタイミングで資金を活用したい人に適した仕組みといえるでしょう。
貯蓄が苦手な人
養老保険は、保険料を支払い続けることで強制的に積立が進む仕組みであり、万一の際は死亡保険金を、満期時には満期保険金を受け取れます。
貯蓄と保障を同時に確保できるため、自分でコツコツ貯金を続けることが難しい人でも計画的に資金を準備しやすい点が特徴です。
養老保険をおすすめできない人
- 一生涯死亡保険が欲しい人
- 保険と貯蓄を分けたい人
一生涯死亡保険が欲しい人
養老保険は一定期間の保障と貯蓄を組み合わせた仕組みであり、満期到来後は保障が消滅します。
満期後も死亡保障を確保したい場合は新規加入が必要となり、年齢の上昇や健康状態によっては保険料が高くなったり、加入自体が難しくなる可能性があります。
「一生涯の死亡保障を持ちたい」「終身で遺族保障を備えたい」という目的がある人は、終身保険など、一生涯の保障が続く商品を検討しましょう。
保険と貯蓄を分けたい人
保障と貯蓄を別々に管理したい人には、養老保険は目的に合わない可能性が高いです。
養老保険は死亡保障と満期保険金を同じ契約で準備するため、保険料に貯蓄部分が含まれ、費用負担が大きくなりやすい点が特徴です。
保障額を十分に確保したい場合でも、保険料負担がボトルネックとなり、必要な保障を確保しにくくなるケースがあります。
保障は掛け捨て型の保険で準備し、貯蓄は別途自分で運用する方法であれば、リスクや目的に応じて柔軟に資金を管理できます。
保障と貯蓄を分けたい場合は、養老保険よりも分離型の備え方が適しているでしょう。
養老保険の選び方

養老保険を選ぶ際は、まず加入の目的と資金を受け取りたい時期を明確にすることが重要です。
続いて、長期間にわたり無理なく支払える保険料かを確認し、家計への負担を丁寧に見極めましょう。
さらに返戻率や解約返戻金の推移を事前に把握しておくことで、満期まで継続した場合と途中で解約した場合の違いを理解しやすく、より現実的な判断に繋がりやすくなります。
養老保険を選ぶ際の具体的なポイントを解説していきます。
養老保険に加入する目的
養老保険を検討する際は、まず「どのような場面に備えたいのか」を明確にしておくことが重要です。
死亡保障と満期保険金(生存保険金)の双方が備わるため、目的によって最適な保険期間や保険金額が変わります。
代表的な目的に、「万一の際の遺族保障」「教育費などの将来資金の準備」「老後資金の確保」などが挙げられます。
養老保険は、契約期間中に死亡した場合は死亡保険金が支払われ、無事に満期を迎えれば満期保険金を受け取れる仕組みです。
あらかじめ目的を整理しておくことで、必要な保険期間・保険金額・タイプを検討しやすくなり、加入後のミスマッチも減らせます。
保険料
養老保険の保険料は、同じ保障額を設定した場合でも、定期保険や終身保険より高くなる傾向があります。
死亡保障に加えて満期保険金(生存保険)を備える仕組みであるため、保険料の一部が貯蓄部分に充てられることが主な理由です。
さらに、加入年齢、保険期間、保険金額、払込期間の設定によって保険料水準は変動します。
月々の負担が家計を圧迫すると、途中で解約せざるを得ないケースもあり、元本割れが生じる可能性もあります。
そのため、貯蓄性を重視するか、月々の支出を抑えるかなど、目的と家計状況を照らし合わせながら、無理のない保険料設定を行いましょう。
解約返戻金額をシミュレーション
養老保険を検討する際は、途中解約した場合にどの程度の解約返戻金が戻るのか、事前にシミュレーションすることが重要です。
解約返戻金は、加入年齢・払込期間・経過年数などによって変動し、一般的には契約初期ほど返戻率が低く、長期的に継続するほど返戻率が高まりやすい傾向があります。
満期前に解約すると元本割れとなる時期が長く続くため、解約タイミングによっては受取額が払込総額を大きく下回るケースもあります。
特に、加入後数年〜十数年は返戻率が払込総額を大きく下回る傾向があるため、「いつ解約すると返戻率が何%になるのか」を事前に確認しておくことがポイントです。
満期まで継続した場合の返戻率や、途中解約した場合の返戻率を複数パターンで比較し、将来の資金計画と照らし合わせながら検討していきましょう。







