生活がギリギリで余裕がないと感じている人は、決して少なくありません。
毎月カツカツで、将来の見通しどころか、貯金もままならない…と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、生活がギリギリになりがちな人の共通点や、その状況から少しずつ抜け出していくための具体策をご紹介します。
・ギリギリの生活をなんとかしたい
・予期せぬ出費があっても、慌てない暮らしを手に入れたい
そんな方にとって、この記事は、生活を立て直すためのヒントになるはずです。
内容をまとめると
- 生活がギリギリな人には、収支の把握が曖昧だったり、お金をすぐ使ってしまったりするなど共通の傾向があるため、自覚することが見直しの第一歩になります。
- 目先の支払いに追われる生活は、将来への備えがあと回しになったり、人間関係にも影響が出たりするため、家計の問題点を見える化して対処することが大切です。
- 支出の優先順位づけや、少額からの先取り貯金など、自分に合った小さな行動を積み重ねることで、少しずつ貯金体質に近づくことができます。
- 家計の整理を一人で進めるのがむずかしい場合は、相談実績10万件超・満足度98.6%以上のマネーキャリアで、具体的なアドバイスを受けるのがおすすめです。
この記事の監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次
- 生活がギリギリな人の特徴
- 収支の把握が曖昧
- お金が入るとすぐに使い切ってしまう
- 将来の計画を立てない
- ギリギリの生活を抜け出す方法
- 続けやすい方法で家計簿をつける
- 支出に優先順位をつける
- 生活防衛費を少しずつ貯める
- 貯金の目的と目標額を決める
- 支出の見直しで足りない場合は副業も検討する
- 生活がギリギリな人が家計を立て直す際によくある失敗例とは?現役FPに聞いてみた【座談会】
- 支出だけを見直して根本の家計構造を変えられていないケース
- 一気にやろうとして続かないケース
- 生活がギリギリな人に起こる弊害
- 目先のやりくりで精神的に追い詰められる
- ストレス発散でお金を使ってしまう
- 家族や身近な人との関係がぎくしゃくする
- 将来への備えがあと回しになる
- 生活がギリギリで悩んだら専門家(FP)に無料相談がおすすめ
- 生活がギリギリで貯金ができない場合の解決策
- まず1万円を貯める
- 先取り貯金の仕組みを作る
- 生活がギリギリの悩みに関するよくある質問
- ギリギリの生活でも「楽しい」と感じることはあるのでしょうか?
- 一人暮らしで生活がギリギリだと貯金はむずかしいですか?
- 生活がギリギリでも小さな行動で改善できる【まとめ】
生活がギリギリな人の特徴
生活がギリギリな人の特徴を、3つ解説します。
紹介する特徴は以下のとおりです。
- 収支の把握が曖昧
- お金が入るとすぐに使い切ってしまう
- 将来の計画を立てない
自分に当てはまる点を知ることで、家計を見直すヒントが見つかりやすくなるので、ぜひ参考にしてください。
収支の把握が曖昧
お金が入るとすぐに使い切ってしまう
お金が入るとすぐに使い切ってしまう人は、生活がギリギリになりやすい特徴があります。
手元の資金をすべて自由に使えるものと捉えていると、計画的な管理意識が身につきません。
例えば、給料日後に衝動的な買い物や外食を重ねた結果、月末には必要な支払いすらできない事態に陥るケースもあります。
また、安売りを見かけるたびに購入を繰り返せば、いつの間にか予算を超過し、貯蓄する余力も失われていきます。
このような消費行動が定着すると、経済的な安定から遠ざかり、常に不安を抱える生活が続くことになります。
将来の計画を立てない
将来の計画を立てない人は、生活がギリギリになりやすい特徴があります。
なんとかなるという感覚のままでいると、将来必要な支出を予測できず、備えが後回しになるためです。
例えば、突然のケガや病気、家電の故障といった予期せぬ支出はいつ発生するかわかりません。
また、結婚や出産、住宅購入、子どもの進学など人生の節目では、数十万円から数百万円単位の費用が必要になります。
計画なしに日常を過ごしていると、こうした支出に対応できず、日々の暮らしまで圧迫される事態に陥ります。
ギリギリの生活を抜け出す方法
ギリギリの生活を抜け出す方法を、5つ解説します。
紹介する方法は以下のとおりです。
- 続けやすい方法で家計簿をつける
- 支出に優先順位をつける
- 生活防衛費を少しずつ貯める
- 貯金の目的と目標額を決める
- 支出の見直しで足りない場合は副業も検討する
家計の流れを見直して小さな改善を積み重ねることで、少しずつ心と生活に余裕が生まれるので、ぜひ参考にしてください。
続けやすい方法で家計簿をつける
続けやすい方法で家計簿をつけることで、ギリギリの生活を抜け出しやすくなります。
支出の内容が見える化されることで、ムダや優先順位に気付けるようになるからです。
例えば、家計簿アプリでざっくり記録するだけでも、外食が多い・スマートフォン代やサブスクが家計を圧迫している、といった傾向が見えてきます。
すべてを完璧に記録しようとせず、自分が続けられるスタイルを見つけることがコツです。
支出の見える化は、ギリギリの暮らしを見直す第一歩になります。
支出に優先順位をつける
支出に優先順位をつけることで、ギリギリの生活を抜け出しやすくなります。
すべての出費を同じように扱うと、ムダな固定費や変動費を見直せず、家計が圧迫されたままになるからです。
例えば、「本当に必要な支出か?」を基準に、スマートフォンの契約や保険・定期購入サービスなどを見直すと、想像以上に削れる支出が見つかることもあります。
逆に、日々の小さな楽しみや家族との時間といった、守りたい出費はあえて残すと、節約のストレスを抑えながら習慣化しやすくなります。
支出のメリハリをつけることが、生活にゆとりを生み出す第一歩となるでしょう。
生活防衛費を少しずつ貯める
生活防衛費を少しずつ貯めることで、ギリギリの生活を抜け出しやすくなります。
急な出費に備える“安心の土台”ができると、不安や焦りに振り回されにくくなるからです。
例えば、家電の故障や医療費など、想定外の支出に対応できる数万円の貯金があるだけでも、心の余裕がまったく違ってきます。
まずは毎月1,000円でもいいので、別口座にためていくのがおすすめです。
生活防衛費の積み立ては、ギリギリ状態から抜け出すための最初の備えとして、心と家計の支えになります。
貯金の目的と目標額を決める
貯金の目的と目標額を決めることで、ギリギリの生活を抜け出しやすくなります。
目指すゴールが明確になると、日々の節約や貯金を、意味ある行動として継続しやすくなるからです。
例えば、「生活防衛費としてまず10万円貯める」や、「1年後の引越し資金に向けて、年収の1割を積み立てる」など、目的と金額・期間をセットで決めると、取り組みやすくなります。
また、「何のためにお金を貯めるのか」を家族と共有しておくと、協力し合う体制も整いやすくなるでしょう。
こうしたゴールの見える貯金が、日々の行動の軸となり、生活に前向きなリズムをもたらします。
支出の見直しで足りない場合は副業も検討する
副業を検討することで、ギリギリの生活を抜け出しやすくなります。
支出を見直しても足りない場合、収入自体を増やさないと赤字が続いてしまうからです。
例えば、スキマ時間にできる在宅ワークや、週末だけの短時間アルバイトなど、生活を崩さず取り組める副業もあります。
そのうえで、ムリなく貯金できる収支バランスを目指すことが大切です。
支出の削減に加えて収入アップも視野に入れることで、家計改善の突破口が見つかりやすくなります。
生活がギリギリな人が家計を立て直す際によくある失敗例とは?現役FPに聞いてみた【座談会】
生活がギリギリでなんとか家計を立て直そうと行動することはとても良いことですが、焦って対策を進めるあまり“間違った方向”に努力してしまい、うまくいかないケースも少なくありません。
今回は、ファイナンシャルプランナー(FP)の加藤さん、奥山さんのお二人に、家計改善の現場でよくある失敗例とその背景について語ってもらいました。

支出だけを見直して根本の家計構造を変えられていないケース
——まずは、家計改善の最初のステップでつまずいてしまうケースから伺います。
加藤FP:生活がギリギリなときって、どうしても節約から入る方が多いですよね。たとえば「お菓子を我慢」「外食をやめる」みたいな。でもそれだけでは根本が変わらないので、少し経つと元に戻ってしまうんです。
奥山FP:そうですね。実際、光熱費や日用品を削って一時的に黒字になっても、翌月にはまた赤字に逆戻り…というご家庭、すごく多いです。結局、毎月の固定費や収入とのバランスを整えないと、家計そのものが改善しないんですよね。
加藤FP:印象に残っているのが、あるご家庭で1日1000円以内の食費生活を2ヶ月頑張った方です。でも車の保険更新や医療費が重なった瞬間に一気に赤字に戻ってしまったんです。節約だけでは「一撃」に耐えられないんですよ。
奥山FP:まさに“耐久力がない家計”ですね。FPとしては、まず変動費じゃなく固定費、たとえばスマホ・保険・住宅費などの見直しを優先するようにお伝えしています。ここが変わるとベースが安定しますから。
加藤FP:支出の削減を頑張るのは素晴らしいことですが、「どこを削るか」の優先順位を間違えると続かないです。根本の家計構造を変えることが、立て直しの最短ルートなんですよね。
一気にやろうとして続かないケース
——次に、対策の進め方に関する失敗例を伺います。
奥山FP:焦っている人ほど、「節約も、貯金も、副業も全部やる!」と一気に詰め込みがちなんですよね。でも、最初から全部やろうとすると高確率で続かなくなります。
加藤FP:ありますね。あるご家庭では、光熱費削減と食費管理、さらに副業まで同時に始めて、最初の1ヶ月は頑張れていたんですが、2ヶ月目に体力も気力も尽きてしまい、全部やめてしまったケースがありました。
奥山FP:生活がギリギリのときって、精神的な余裕もない状態なので、複数のことを同時進行するのは本当にハードルが高いです。小さくてもいいので、まずは1つずつ着実に進めるのがコツです。
加藤FP:しかも、一気にやろうとすると「どれが効果的だったのか」が分からないんですよね。結局、改善ポイントが見えないまま挫折するという悪循環に陥ります。
奥山FP:FPとしては、最初は固定費の削減や収支の見える化など「効果が大きくて、継続しやすいところ」から取り組むようにおすすめしています。ここで1つ成功体験を積むと、次の対策も自然に続きやすくなるんです。
加藤FP:一気に全部やろうとするよりも、「優先順位をつける」ことが家計改善のカギですね。小さく始めて確実に積み上げていく方が、結果的に早く立て直せるケースが多いですよ。
生活がギリギリな人に起こる弊害
生活がギリギリな人に起こる弊害を、4つ解説します。
紹介する弊害は以下のとおりです。
- 目先のやりくりで精神的に追い詰められる
- ストレス発散でお金を使ってしまう
- 家族や身近な人との関係がぎくしゃくする
- 将来への備えがあと回しになる
生活が苦しいときに起こる、心や人間関係への影響を理解しておくことで、早めに家計の立て直しや支出の見直しに着手しやすくなるので、ぜひ参考にしてください。
目先のやりくりで精神的に追い詰められる
生活がギリギリな人は、目先のやりくりに追われ、精神的に追い詰められやすくなります。
日々の支払いに意識が向きすぎると、「また今月も足りなくなりそう」「この先どうなるんだろう」と不安がふくらみ、心の余裕がなくなるからです。
例えば、残高を確認するたびに落ち込んだり、残高不足で支払いが滞って「お金の管理ができていない」と自分を責めてしまうこともあるでしょう。
焦りや精神的な疲れがたまると、「また赤字」「もう立て直せないかもしれない」といった思いに押しつぶされそうになり、どんどん追い詰められてしまいます。
こうした状態が続くと、生活を立て直す気力すら奪われてしまいかねません。
ストレス発散でお金を使ってしまう
生活がギリギリな人は、ストレス発散でお金を使ってしまうことがあります。
ストレスを感じたときにお金を使うと、一時的に気分が晴れるためです。
例えば、支払いの不安を抱えた日にコンビニで甘いものをまとめ買いしたり、インターネット通販で予定外の買い物をしてしまうことなどが考えられます。
その瞬間は気持ちが軽くなったように感じても、あとで、さらにお金が減っていることに気付いて、自己嫌悪や焦りが増してしまいがちです。
ストレス発散そのものは悪くありませんが、お金の使い方を誤ると、生活をさらに苦しくするおそれがある点には注意が必要です。
家族や身近な人との関係がぎくしゃくする
生活がギリギリな人は、家族や身近な人との関係がぎくしゃくしやすくなります。
経済的な不安が続くと、会話や態度に余裕がなくなり、ちょっとしたことで衝突が起きやすくなるからです。
例えば、食費や子どもの習い事の出費で意見が食い違ったり、「お金を貸して」と何度も頼むことで気まずくなるなど、金銭面が人間関係に影を落とすこともあります。
こうしたすれ違いが積み重なると、家計の不安に加えて人間関係のストレスも増し、日常生活全体に悪影響を及ぼすようになります。
将来への備えがあと回しになる
生活がギリギリな人は、将来への備えがあと回しになる傾向があります。
目の前の支払いに気を取られていると、数年先の出費にまで意識を向ける余裕がなくなるからです。
例えば、「子どもの進学費用はどうしよう」「老後の生活費は大丈夫?」とふと不安を感じても、毎月のやりくりに精一杯だと、準備を先送りしたまま時間が経ってしまいます。
そのため、中・長期的にも“ギリギリのまま抜け出せない状態”が続いてしまうこともあるでしょう。
こうした備えの先送りは、生活がギリギリな人に起こりやすい大きな弊害です。
生活がギリギリで悩んだら専門家(FP)に無料相談がおすすめ
生活がギリギリで貯金ができない場合の解決策
生活がギリギリで貯金ができない場合の解決策を、2つ解説します。
紹介する方法は以下のとおりです。
- まず1万円を貯める
- 先取り貯金の仕組みを作る
無理のない金額から貯金を始め、毎月決まったタイミングで自動的にお金を確保する習慣をつけることで、自然と貯めグセが身につきやすくなるので、ぜひ参考にしてください。
まず1万円を貯める
まず1万円を貯めることで、生活がギリギリで貯金できない状態から、抜け出しやすくなります。
目標が大きすぎると行動を続けにくい一方で、少額からの貯金による成功体験は、自信とモチベーションにつながるからです。
例えば、毎週1,000円の積立と、コンビニ支出300円を週2回がまん(=週600円)するだけでも、週1,600円×4週間=6,400円が貯まります。
このペースを続ければ、2ヵ月後には1万円以上の貯金も無理なく達成できるでしょう。
こうした小さな成功の積み重ねが、無理のない暮らしへの第一歩になります。
先取り貯金の仕組みを作る
先取り貯金の仕組みを作ることで、生活がギリギリで貯金ができない状態から、抜け出しやすくなります。
貯金をあとまわしにせず、毎月の収入から先に取り分けておくことで、残ったお金でやりくりする習慣が、自然と身につくからです。
例えば、給料日に1,000円〜3,000円を自動で貯金口座へ移す設定にしておけば、「余ったら貯める」から“何も考えずに貯まる”仕組みに変わっていきます。
少額でも、積み上がる実感があれば、自然とやる気も続きやすくなるでしょう。
意志よりも、仕組みを優先して整えることが、無理のない貯金習慣への第一歩です。
生活がギリギリの悩みに関するよくある質問
生活がギリギリの悩みに関するよくある質問を、2つ解説します。
紹介する質問は以下のとおりです。
- ギリギリの生活でも「楽しい」と感じることはあるのでしょうか?
- 一人暮らしで生活がギリギリだと貯金はむずかしいですか?
他の人の悩みや疑問を知ることで、自分自身の悩みを解決するヒントが得られることもあるので、ぜひ参考にしてください。
ギリギリの生活でも「楽しい」と感じることはあるのでしょうか?
ギリギリの生活でも、小さなよろこびや達成感を感じる瞬間はあるといえます。
例えば、限られた材料で工夫して食事をつくったり、手作りのおやつを囲んで家族や身近な人と笑い合えたときなど、ささやかな場面に心が動くことが考えられます。
ただし、楽しさの感じ方はそのときの心の余裕や状況にも左右されるため、一概にはいえません。
しかし、どんな状況でも自分なりのよろこびに気付けると、暮らしのなかに小さな光を見つけやすくなるでしょう。
一人暮らしで生活がギリギリだと貯金はむずかしいですか?
一人暮らしで生活がギリギリな場合、貯金はどうしてもむずかしくなりやすいです。
家賃や光熱費・食費などの基本的な生活費を、すべて自分ひとりでまかなう必要があるからです。
そのため、収入に対して生活費の割合が高くなりやすく、残せるお金がそもそも少なくなってしまいます。
もし貯金が難しいと感じたら、副収入を足すか、支出に優先順位をつけて見直すことが第一歩になります。
そのうえで、収支全体を見える化すると、気付かないムダや見直せる余地を発見しやすくなり、少しずつ貯金に回す習慣づくりにもつながっていきます。
生活がギリギリでも小さな行動で改善できる【まとめ】
生活がギリギリでも、小さな行動を積み重ねることで、改善を目指すことができます。
例えば、家計の見える化や支出に優先順位をつけることで、ムダを発見しやすくなり、限られたお金のなかでもやりくりがしやすくなります。
さらに、生活防衛費の確保や少額から始める先取り貯金などを取り入れることで、少しずつ生活にゆとりが生まれるでしょう。
とはいえ、日々の生活に追われながら、一人で収支を整理したり、貯金の計画を立てるのは簡単ではありません。
家計の整理や、貯金の始め方で迷っている方は、専門家(FP)への相談をおすすめします。