
「住宅ローンと相続税対策を両立させる方法はある?」
「住宅ローンと相続税対策を考えるとき何に気をつければいいの?」
とお悩みではないでしょうか。
結論、住宅ローンは相続税対策として活用できる場合があります。
本記事では住宅ローンが相続税対策になるケースについて詳しく解説します。また、住宅ローンで相続税対策をする人が知っておきたい注意点についても紹介します。
この記事を読むことで、自分の状況に合った相続税対策を選べるようになるので、ぜひご覧ください。

この記事の監修者 谷川 昌平 フィナンシャルプランナー
株式会社Wizleap 代表取締役。東京大学経済学部で金融を学び、金融分野における情報の非対称性を解消すべく、マネーキャリアの編集活動を行う。ファイナンシャルプランナー、証券外務員を取得。メディア実績:<テレビ出演>テレビ東京-テレ東「WBS」・テレビ朝日「林修の今知りたいでしょ!」
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この記事の目次
- 住宅ローンが相続税対策になることも!3つのケースをもとに解説
- 団体信用保険に加入していた場合
- 団体信用保険に加入していない場合
- 団体信用保険ではなく生命保険に加入していた場合
- 自分の住宅ローンは相続税対策になる?不安な人はFPに相談!
- 住宅ローンで相続税対策をする人が知っておきたい注意点4つ
- そもそも相続税がかかるかどうかを知る
- 団体信用保険に加入していると節税効果はない
- 住宅ローン減税は適用できない
- オーバーローンは損することも
- これから住宅ローンを組む人へ!相続税対策に効果的な方法を2つ紹介
- 親子リレーローンを契約する
- 二世帯住宅を建てるために住宅ローンを組む
- 住宅ローンで相続税はどれくらい安くなるかシミュレーション
- 自分にぴったりの相続税対策は?住宅ローン以外の方法も紹介
- 住宅ローンを相続税対策に活用できるか知りたい人はマネーキャリアに相談を
- 【まとめ】住宅ローンで相続税対策をするには慎重な判断が必要!
住宅ローンが相続税対策になることも!3つのケースをもとに解説

- 団体信用保険に加入していた場合
- 団体信用保険に加入していない場合
- 団体信用保険ではなく生命保険に加入していた場合
団体信用保険に加入していた場合
団体信用保険に加入していない場合
団体信用保険ではなく生命保険に加入していた場合
自分の住宅ローンは相続税対策になる?不安な人はFPに相談!
自分の住宅ローンが相続税対策になるかどうかを知りたい人は、FPに相談するのがおすすめです。
相談によって、現在の住宅ローンの契約状況や保険の加入状況を踏まえ、相続税対策に関する具体的なアドバイスを受けることができます。
また、住宅ローン以外の相続税対策についても、総合的な視点からアドバイスを受けられるメリットがあります。
相続税は金額が大きくなりがちなため、事前に専門家に相談して対策を立てておくことが重要です。

住宅ローンで相続税対策をする人が知っておきたい注意点4つ

住宅ローンで相続税対策をする人が知っておきたい注意点は以下の4つです。
- そもそも相続税がかかるかどうかを知る
- 団体信用保険に加入していると節税効果はない
- 住宅ローン減税は適用できない
- オーバーローンは損することも
そもそも相続税がかかるかどうかを知る
そもそも相続税にはさまざまな控除があり、相続税がかからない人も多いのが現状です。
国税庁の統計によると、令和5年度に亡くなった方のうち相続税の申告が必要だった割合は約9.9%となっています(※)。
相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」であり、例えば配偶者と子ども2人の場合、4,800万円まで相続税はかかりません。加えて、小規模宅地の特例などを利用すれば、さらに相続税の負担を軽減できる可能性があります。
そのため、そもそも相続税対策が不要かもしれないことを考え、自身の財産や相続人関係で相続税がかかるか一度確認しておきましょう。
※参照:相続税の申告事績の概要|国税庁
団体信用保険に加入していると節税効果はない
団体信用保険に加入していると、相続発生時に住宅ローンはなくなるため債務控除は使えません。
しかし民間の住宅ローンの多くが団体信用保険への加入が必須となっています。
そのため、住宅ローンの相続税対策としての効果は限定的であることを理解しておくことが大切です。
ただし、団体信用保険に加入していることで、相続人がローン返済の負担をなくせるというメリットもあるため、総合的に判断することが大切です。
住宅ローン減税は適用できない
住宅ローンを相続した場合は住宅ローン減税の適用はできません。
これは、住宅ローン減税が住宅取得のためのローンを対象とした制度だからです。相続によって引き継いだローンは、住宅取得のためのローンとはみなされない(※)ため、税制上の優遇を受けることができません。
ローン減税の制度活用のために相続できないことを覚えておきましょう。
オーバーローンは損することも
相続時にオーバーローン(債務の方が不動産価額より大きい)状態になると負債だけを相続させることになってしまう可能性があります。
このような状況では、相続放棄や限定承認となったり、相続人に債務を負わせることになったりする恐れがあります。
特に不動産価格が下落した場合や、ローン返済が進んでいない段階で相続が発生した場合に起こりやすい問題です。
したがって、住宅ローンを組む際は将来的な資産価値とローン残高のバランスも考慮することが重要です。
これから住宅ローンを組む人へ!相続税対策に効果的な方法を2つ紹介

これから住み替えなどで住宅ローンを組む人が、相続税対策も踏まえ効果的に住宅ローンを契約する方法を紹介します。
以下の2つの方法を検討することで、住宅ローンと相続税対策を両立できる可能性があります。
- 親子リレーローンを契約する
- 二世帯住宅を建てるために住宅ローンを組む
親子リレーローンを契約する
親子リレーローンは、親と子が共同で住宅ローンを組み、親が亡くなった後も子どもがローンを引き継ぐ仕組みです。
団体信用保険は子どもだけ加入するケースが多いため、親が亡くなった場合に承継した残債は債務控除できるメリットがあります。また、親の資産を生前から住宅という形で子どもに移すことができるため、相続税対策としても効果的です。
ただし、相続手続きが複雑になる可能性がある点や、金融機関によって取り扱いが異なる点には注意が必要です。
二世帯住宅を建てるために住宅ローンを組む
二世帯住宅を建てること自体、小規模宅地の特例活用や財産の圧縮効果により相続税の節税効果が見込めます。
さらに団体信用保険未加入のローン部分があれば、債務控除により相続税を減らす効果も期待できます。
二世帯住宅は同居による介護負担の軽減や生活費の節約など、相続税対策以外のメリットも大きいことが特徴です。
住宅ローンで相続税はどれくらい安くなるかシミュレーション
住宅ローンの節税効果を実際の数字で確認してみましょう。
以下の前提条件で、2つのパターンをシミュレーションし相続税額を比較します。
- 不動産評価額:5,000万円
- 預貯金:3,000万円
- ローン残債:2,000万円
- 相続人:配偶者と子2人
ケース | 相続財産総額 | 基礎控除額 | 課税対象額 | 相続税額(概算) |
---|---|---|---|---|
団信により住宅ローン契約 が無くなる場合 | 8,000万円 | 4,800万円 | 3,200万円 | 約320万円 |
債務控除により 相続税を軽減した場合 | 6,000万円 | 4,800万円 | 1,200万円 | 約120万円 |
自分にぴったりの相続税対策は?住宅ローン以外の方法も紹介
住宅ローン以外の相続税対策になる方法は以下のとおりです。
相続税対策 の種類 | 特徴 | こんな方におすすめ | 注意点 |
---|---|---|---|
生命保険 | 非課税枠(500万円×法定相続人の数) を活用できる | 法定相続人の数が多い人 特定の人に遺したい人 | 年齢や既往歴により 加入できないことも |
不動産投資 | 路線価による評価により 財産を圧縮できる | 収益を得ながら相続対策をしたい人 多額の現金がある人 | 価額変動リスクや 管理コストがある |
生前贈与 | 贈与税の基礎控除や各種特例 (教育資金贈与など)を活用できる | 子や孫に住宅費や教育費などを 支援したい人 | 相続開始前7年以内の贈与は 相続財産に加算される |
このように、住宅ローン以外にも様々な相続税対策があります。
どの方法が最適かは、ご自身の資産状況や家族構成、将来の希望によって異なります。
住宅ローンを相続税対策に活用できるか知りたい人はマネーキャリアに相談を
住宅ローンを相続税対策に活用できるかは、個々のローン契約状況だけでなく資産状況や相続人関係などによっても大きく異なります。
そのため、専門家による具体的なアドバイスが相続税対策には有効です。
マネーキャリアではあなたの状況を踏まえ、相続対策における住宅ローンの活用方法を提案いたします。
また、住宅ローン以外の相続税対策も含めた総合的なプランニングを受けることができるため、自分に最適な方法を見つけることができます。
- 住宅ローンに合わせた相続税対策の提案を受けられる
- 住宅ローン以外の相続税対策を解説してくれる
- 何度でも無料で相談できる

【まとめ】住宅ローンで相続税対策をするには慎重な判断が必要!
ここまで、住宅ローンと相続税対策の関係について紹介してきました。
住宅ローンが相続税対策になるかは団体信用保険に未加入であることが前提ですが、現実には団体信用保険不要のローンは少ないのが実情です。
債務控除できないと不動産取得により多額の相続税がかかる可能性もあるため、住宅ローンだけで相続税対策を行うことはリスクがあります。
しかし、本記事で紹介した親子リレーローンや二世帯住宅など、工夫次第で住宅ローンを相続税対策に活用することも可能です。
相続財産全体を考慮し、住宅ローンだけでなく生命保険や生前贈与など他の方法も比較し、最適な相続税対策を行うことが重要です。
