親の住宅ローンを子が払う方法とは?名義変更・借り換え別に解説のサムネイル画像
・親子間の住宅ローンの名義変更はできる?
・親の住宅ローンを自分が引き継ぐことは可能?

といった疑問をお持ちではありませんか?

結論からいうと、親子間での住宅ローン名義変更は条件次第で可能です。ただし、金融機関の厳格な審査や贈与税などの税務リスクがあるため、事前の十分な準備が必要です。

本記事では、親の住宅ローンを子が引き継ぐ2つの方法(名義変更・借り換え)の具体的な申請方法や条件、発生する諸費用や税金について詳しく解説します。また、実際に引き継ぎを経験した方々の体験談も紹介し、後悔しないための注意点もお伝えします。

この記事を読めば親の住宅ローン引き継ぎについて正しく理解し、最適な方法を選択できるようになるので、ぜひ参考にしてください。
井村FP

住宅ローンを名義変更して引き継ぐには、承認形式の違いはもちろんメリット・デメリットを正しく判断してから決めなければなりません。


とはいえ、各家庭で状況が違うなか、親子だけでどうすべきかを判断するのは非常に困難でもあります。そのため、マネーキャリアような「住宅ローンのプロへ悩みを無料で何度でも相談できる」サービスを使い、名義変更で損をしない方法をアドバイスしてもらう方が増えています。


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この記事の監修者「井村 那奈」

この記事の監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次

親の住宅ローンを子が払う方法とは?【名義変更の場合】

名義変更で親の住宅ローンを子が払う方法
名義変更による親の住宅ローン引き継ぎには、以下のような3つのパターンがあります。
  • 親子リレーローンを利用するケース
  • 親が所有権を子に贈与・売買するケース
  • 金融機関が名義変更を認めたケース
それぞれの方法には手続きの流れや条件が異なるため、事前に違いを把握しておくことが重要です。ここからは、名義変更の3つのパターンについて詳しく見ていきましょう。

親子リレーローンを利用するケース

親子リレーローンは、親と子が連帯して返済する仕組みで、当初から承継を前提とした住宅ローンです。

そのため、将来的な名義移行も比較的スムーズに行えます。契約内容を事前に確認しておきましょう。

項目内容
審査対象親と子の両方(両者の返済能力を総合評価)
返済の流れ1.親が主債務者として返済開始
2.退職・収入減少時に子が主債務者として返済を引き継ぐ
名義変更のしやすさ契約時に子の返済能力も審査済みのため、
名義変更手続きが比較的スムーズ
承継可能な子の範囲当初審査で承認された子のみ
(他の兄弟姉妹への変更は原則不可)
団体信用生命保険(団信)の加入通常は子のみが加入
(親が亡くなってもローンは完済されず、子が返済を継続)

親子リレーローンでは、契約時に親と子の双方が審査対象となり、総合的な返済能力を前提に融資が決定されます。返済は親が主債務者として開始し、退職や収入減少にあわせて子が引き継ぐ仕組みです。

金融機関は当初から子の返済能力を確認しているため、名義移行は比較的円滑に行えます。ただし、承継できるのは審査を通過した子に限られ、他の兄弟姉妹への変更は認められません。

さらに、このローンでは通常、団体信用生命保険の加入者は子のみとなるため、親が死亡しても返済は免除されず、子が継続して返済を行う必要があります。 

親が所有権を子に贈与・売買するケース

親から子へ所有権を移転し、同時に住宅ローンの名義も切り替える方法があります。この場合、担保不動産と債務者が一致するため、金融機関にとってもリスク管理上適切といえます。


贈与・売買するケースの内容を見てみましょう。 

項目贈与による名義変更売買による名義変更
取引内容親から子への無償譲渡親から子への適正な市場価格での売買
主な税金贈与税(年間110万円超で課税)
不動産取得税
登録免許税
譲渡所得税(親に発生する可能性)
不動産取得税
登録免許税
印紙税
資金準備不要子は購入資金が必要
手続き条件子に返済能力があり
住宅に居住することが必要
子に返済能力があり
住宅に居住することが必要


親から子への名義移転は「贈与」か「売買」によって行われます。


贈与の場合は無償譲渡となり、110万円の基礎控除を超える部分に贈与税が課税され、不動産評価額によっては高額になる可能性があります。


一方、売買であれば贈与税はかかりませんが、子には購入資金の調達が必要で、親には譲渡所得税が生じる場合があります。いずれの方法でも、子に十分な返済能力があり、その住宅に居住することが前提条件です。


金融機関は改めて子の返済能力を審査し、承認を得た上で名義変更が実行されます。手続きには司法書士の関与が不可欠で、登記費用や手数料といった諸費用も発生します。

井村FP

親から住宅の所有権を引き継ぐ際は、今後の返済負担や税制の観点から、手段やタイミングを適切に判断する必要があり、事前に専門家(FP)に相談するのがおすすめです。


特に、マネーキャリアでは、こういった親子間の住宅ローンの引き継ぎに関わるお金の疑問や不安をすべて無料で相談できます。


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金融機関が名義変更を認めたケース

金融機関が例外的に名義変更を認めるのは、親の返済能力が大きく低下した場合が典型例です。病気や失業で返済が困難になると、債権保全の観点から子への承継が検討されます。


ただし、子に十分な返済能力があることが絶対条件です。審査では以下の項目が確認されます。


  • 年収
  • 勤続年数
  • 他の借入状況
  • 信用情報(クレジット履歴など)


基準は通常の住宅ローンと同等以上であり、子が当該住宅に居住することも必須条件となります。


さらに、金融機関によっては親の債務超過の証明や医師の診断書の提出を求められる場合があります。承認後は、保証料の再設定や事務手数料の負担が必要となるのが一般的です。


こうした特別承認は金融機関の裁量に委ねられるため、事前相談と丁寧な説明が不可欠です。

井村FP

【現役FPのコメント】


親の住宅ローンを承継するには、子に十分な返済能力があり、その住宅に居住することが前提条件です。さらに、登記費用や税金など各種コストが発生する点にも注意が必要です。いずれの場合も、金融機関や専門家への事前相談が不可欠です。


特に贈与や売買を伴う場合は、贈与税や譲渡所得税の課税リスクがあり、金銭的負担が大きくなる可能性があります。手続きの複雑さや将来的なリスクも踏まえ、家族間で十分に協議することが重要です。

親の住宅ローンを子が払う方法とは?【借り換えの場合】

借り換えで親の住宅ローンを子が払う方法
借り換えによる親の住宅ローン引き継ぎでは、子が新たにローンを組んで親の既存ローンを完済する方法が一般的です。
親子間売買による借り換えには、以下の3つのパターンがあります。
  • 子が単独で住宅ローンを組み直すケース
  • 親子ペアローン・親子リレーローンで借り換えるケース
  • 親子間売買による借り換えケース
それぞれ異なる特徴と条件があります。名義変更が困難な場合でも、借り換えなら実現の可能性が高くなります。

子が単独で住宅ローンを組み直すケース

子が新たに住宅ローンを契約し、その資金で親のローン残債を完済する方法です。金融機関での審査に通過すれば融資を受け、既存債務を一括返済できます。


この方法の最大の利点は、親から完全に独立したローンに切り替えられる点です。ただし、子の返済能力が必須条件であり、年収・勤続年数・信用情報などが厳格に審査されます。さらに、子がその住宅に居住することも要件です。


借り換えに伴い、事務手数料・保証料・登記費用などの諸費用が発生します。併せて不動産の所有権移転も必要であり、贈与税や譲渡所得税の対象となる可能性があります。


金利条件によっては、既存ローンより有利になる場合もあるため総合的な比較検討が不可欠です。

親子ペアローン・親子リレーローンで借り換えるケース

親子が共同で新しいローンを組み、既存の住宅ローンを借り換える方法です。それぞれの概要を確認しましょう。


項目親子ペアローン親子リレーローン
契約形態親と子がそれぞれ独立した
住宅ローンを契約
親子で1本のローン契約
(親から子へ返済責任を移行)
住宅ローン控除親・子それぞれが受けられる
可能性あり
通常は子のみ(契約内容による)
返済の流れ親・子がそれぞれ自分のローンを返済1.親が返済開始
2.親の退職・収入減少時に子が返済を引き継ぐ
返済期間各自で設定
(親は短め、子は長めにできる)
最長で子の年齢を基準に長期設定が可能
メリット・住宅ローン控除が2人分
・借入額増加
・柔軟な返済計画
・借入額増加
・親の高齢化リスクを子がカバー


親子ペアローンは親子がそれぞれ別契約を結ぶのに対し、親子リレーローンは1契約内で返済を親から子へ引き継ぐ仕組みです。親子の収入を合算できるため、借入可能額を増やしやすい点が大きなメリットです。


一方で、親子双方が審査対象となるため、どちらかに信用上の問題があると借り換えは認められません。また、双方が連帯保証人となるため、一方が返済不能になると他方に義務が及ぶ点にも注意が必要です。


さらに、相続時の取り扱いが複雑化するリスクもあるため、事前に十分な協議と専門家への相談が不可欠です。

親子間売買による借り換えケース

親が所有する住宅を子が購入する形で住宅ローンを組み直し、実質的に借り換えを行う方法です。借り換えまでの順序は以下のとおりです。

  1. 子が住宅購入資金として新たに住宅ローンを申し込む
  2. 金融機関の審査を受け、承認されれば子がローン契約を結ぶ
  3. 親と子の間で不動産売買契約を締結する
  4. 子が住宅ローンの融資を受け、その資金で親から住宅を購入する
  5. 親は受け取った購入代金の一部または全部で既存の住宅ローンを完済する
  6. 所有権移転登記を行い、住宅の名義を子に変更する
  7. 子は新しい住宅ローンの返済を開始する
子が新たに住宅ローンを組み、その資金で親から住宅を購入する方法です。代金で親の既存ローンを完済し、子が新しい返済を開始する仕組みであり、所有権と債務者が同時に移転するため権利関係が明確になります。

ただし、売買価格が不適正だと贈与税課税のリスクがあります。適正価格であれば贈与税は生じませんが、親には譲渡所得税が発生する可能性がある点に留意が必要です。審査は通常の住宅ローンと同等の基準で行われます。

井村FP
【現役FPのコメント】

売買価格の妥当性や税負担の見極め、適切な資金計画には専門的な知見が求められます。


そこで、事前にマネーキャリアのようなファイナンシャルプランナー(FP)へ無料相談することで、選択肢のメリット・デメリットを整理できます。


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親の住宅ローンを子が承継する際には、名義変更・借り換えなど複数の方法があり、税務や審査条件が異なるため慎重な判断が必要です。


適切な選択をするためには、住宅ローンや税務・相続に精通したFPへの相談が有効です。FPは状況に応じて、最適な手続きとリスク回避のための実践的な助言を行うことができます。

井村FP
【現役FPのコメント】

マネーキャリアでは、住宅ローンに精通したFPが無料で相談に応じています。あなたの家族構成や収入状況、親のローン残高などを総合的に分析し、最も有利な方法を提案してくれます。


贈与税や譲渡所得税などの税務面についても詳しく説明を受けられるため、予期せぬ税負担を避けられるでしょう。相談はオンラインで完結するため、仕事で忙しい方でも自宅から気軽に利用できます。


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親の住宅ローンを子が払う際の注意点【名義変更・借り換え別】

親の住宅ローンを子が引き継ぐ際は、選択する方法によって異なる注意点があります。名義変更では金融機関の厳格な承認条件や税務上のリスクに注意が必要です。借り換えでは新規審査や諸費用の負担が発生します。


どちらの方法でも事前の準備不足や知識不足により、予想外の費用負担や手続きの遅延が生じる可能性があります。トラブルを避けるためには、それぞれの方法における具体的な注意点を理解しておきましょう。

名義変更の場合

名義変更で親の住宅ローンを子が払う際の注意点
住宅ローンの名義変更では、以下のような注意点があります。
  • 金融機関の承認が必要
  • 贈与税や譲渡所得税が発生する場合がある
  • 登記費用や諸費用がかかる
  • 住宅ローン控除が使えなくなる場合も
これらの要素を事前に理解しておかないと、想定外の費用負担や税務上の不利益を被る可能性があるので注意しましょう。

金融機関の承認が必要

住宅ローンの名義変更には、金融機関の正式な承認が必須です。もともと親の返済能力を前提に融資されているため、他人への名義移行には厳格な審査が行われます。


審査では、子の年収・勤続年数・勤務先の安定性が詳細に確認され、親と同等以上の返済能力を証明する必要があります。特に重視されるのが返済負担率(年収に対する返済割合35%以下が一般的基準)です。


また、既に他の住宅ローンを抱えている場合は原則認められず、さらに子がその住宅に実際に居住することが必須条件です。居住実態がない場合、契約違反として一括返済を求められる可能性があります。


審査には1〜2か月程度かかるため、早めの計画が不可欠です。


贈与税や譲渡所得税が発生する場合がある

住宅ローンの名義変更に伴い、親から子への不動産所有権移転が発生すると、贈与税や譲渡所得税の課税対象となる可能性があります。贈与による場合、年間110万円の基礎控除を超える部分には贈与税(※2)が課されます。


評価額2,000万円の住宅を贈与すると、以下のとおりです。


  • 課税対象額:2,000万円-110万円(基礎控除)=1,890万円
  • 税率:10%~55%の超過累進税率が適用
  • 税額例:1,890万円×税率→数百万円規模の贈与税が発生


贈与税の税率は10%〜55%までの累進課税であり、高額不動産では大きな負担となり得ます。


一方、売買による場合でも親に譲渡所得税が課される可能性があります。購入時より値上がりしていれば、その利益に対して所得税・住民税が課税されます。ただし、マイホーム売却には3,000万円特別控除が適用されることが多く、実際の負担は軽減されやすい点も特徴です。


さらに、子が親の住宅ローンを肩代わりすることで「みなし贈与」と判定されるケースもあります。こうした税務リスクを回避するには、事前に税理士へ相談することが不可欠です。


登記費用や諸費用がかかる

住宅ローンの名義変更には、不動産の所有権移転登記が必要となり、複数の費用が発生します。登録免許税は固定資産税評価額の2,000万円の場合以下の費用が必要です。

  • 贈与:2%×2,000万円=40万円
  • 売買:軽減税率1.5%×2,000万円=30万円

固定資産税評価額の2%(贈与の場合)または1.5%(売買の場合)が課される(※5)ため、贈与で40万円、売買で30万円の負担となります。


司法書士への報酬として5~15万円程度が必要で、登記に必要な書類取得費用として数千円~1万円程度がかかります。金融機関への手数料も見逃せません。名義変更手数料として数万円から十数万円、抵当権の変更登記費用として数万円が必要です。


住宅ローンの残債額や物件価値によって異なりますが、総額で50~100万円程度の諸費用を見込んでおく必要があります。これらの費用は基本的に現金で準備する必要があるため、事前の資金計画が重要です。金融機関によっては諸費用を住宅ローンに組み込める場合もあるため、複数の選択肢を検討することをおすすめします。


住宅ローン控除が使えなくなる場合も

住宅ローンの名義変更を行うと、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)が適用外となる場合があります。控除は契約者本人が居住していることが前提であるため、名義変更後に子が住まなければ適用されません

また、他の住宅で既に控除を受けている場合は重複適用不可です。控除額は年末残高の0.7%、最長13年間で、条件を満たせば数百万円規模の節税効果が見込めます。

一方、子が初めて住宅を取得する場合には新たに控除を受けられる可能性があります。ただし、中古住宅では築年数や耐震基準の要件を満たす必要があります。

名義変更の前に、税務署や税理士へ相談し控除への影響を正確に確認することが不可欠です。

井村FP

【現役FPのコメント】


住宅ローンの名義変更には多くの留意点があります。税務面では贈与税や譲渡所得税が高額になる可能性があり、事前の確認は不可欠です。


さらに、子の収入や居住要件を満たさなければ審査は通らず、手続き自体が進まないこともあります。加えて、数十万円規模の諸費用が発生するため資金計画が必須です。


また、住宅ローン控除の適用可否にも直結するため慎重な対応が必要です。実行にあたっては、FP・税理士・金融機関・司法書士など専門家への相談が不可欠です。

※1参照:住宅ローンの返済比率(返済負担率)の計算方法や目安は?年収別の理想をシミュレーションしてみよう|SUUMO(スーモ)

※2参照:No.4402贈与税がかかる場合|国税庁

※3参照:No.4408贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁

※4参照:No.3302マイホームを売ったときの特例|国税庁

※5参照:No.7191登録免許税の税額表|国税庁

※6参照:No.1211-1住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)

借り換えの場合

借り換えで親の住宅ローンを子が払う際の注意点
借り換えによる住宅ローンの引き継ぎでは、以下で注意点が必要です。
  • 子の返済能力や信用情報が審査される
  • 親子間売買の場合は金融機関の制約がある
  • 諸費用がかかる
  • 贈与税や譲渡所得税が発生する場合がある
  • 住宅ローン控除の適用要件に注意
ここからは、借り換えによる引き継ぎの具体的なポイントについて詳しく解説します。

子の返済能力や信用情報が審査される

借り換えを行う場合、子が新たな契約者となるため通常の住宅ローン審査と同等のチェックが実施されます。金融機関は、年収・勤続年数・勤務先の安定性・既存の借入状況を総合的に確認し、残債を返済できるかを厳格に判断します。

また、信用情報機関への照会は必須であり、過去の返済履歴や他の借入状況に問題がないかも詳細に確認される点に注意が必要です。

  • 過去の延滞歴があると審査に不利になる
  • 延滞情報は信用情報に5年間記録される
  • すでに住宅ローンを組んでいると、2本目の契約は原則不可になる
  • 勤続年数が短い、転職直後といった状況も審査で不利になる
  • 安定した収入と継続的な返済力を示すことが求められる
過去の延滞履歴は審査に大きく影響します。クレジットカードやローンの延滞情報は最長5年間保存されるため、心当たりがある場合は事前に信用情報を確認しておくことが望ましいです。

また、既に住宅ローンを利用中の場合は新規契約が難しいのが一般的です。さらに、勤続年数が短い、あるいは転職直後といった状況も不利に働きます。

審査通過には、安定した収入と返済余力の証明が不可欠です。複数の金融機関に事前相談し、それぞれの基準を把握しておくと安心でしょう。

親子間売買の場合は金融機関の制約がある

親子間での住宅ローン借り換えは、通常の売買より審査が厳格に行われます。金融機関によっては親族間取引自体を扱わないケースもあります。


また、適正価格の証明として評価書の提出を求められることが多いほか、売買代金の流れや資金の出所について詳細な説明を求められる点も特徴です。不正防止の観点から、金利や頭金が一般より厳しく設定される傾向もあります。


さらに、売買契約書は契約条件に不自然な点がないか厳密にチェックされます。そのため、親子間売買を検討する際は、事前に複数の金融機関へ相談し、取り扱い可否や条件を確認することが不可欠です。


諸費用がかかる

借り換えにはさまざまな諸費用が発生し、総額で数十万円から100万円程度の負担となる場合があります。借り換えで必要な費用は以下のとおりです。

  • 新規ローンの融資手数料【借入額の1~2%程度
  • 保証料
  • 印紙税
  • 火災保険料
  • その他:登記費用、司法書士報酬、抵当権設定費用など

800万円を借り換える場合、融資手数料だけで8~16万円の負担となります。また、既存ローンの繰上返済手数料として数万円が必要になるケースもあります。


不動産の所有権移転には、登録免許税や司法書士報酬などで20〜30万円ほどの費用がかかり、抵当権の登記費用も別途必要です。さらに、不動産取得税が課される場合もあり、こちらも数十万円の負担となる可能性があります。


これらの費用は基本的に現金で準備する必要がありますが、金融機関によっては諸費用を住宅ローンに組み込める場合もあります。借り換えの効果を見極めるには、事前に費用を見積もり、総コストを比較することが大切です。


贈与税や譲渡所得税が発生する場合がある

借り換えに伴う親子間の不動産移転では、税務上の注意が必要です。親子間売買であっても、売買価格が市場価格より著しく低い場合、差額部分は贈与とみなされ贈与税の対象となります。


市場価格2,000万円の物件を1,500万円で売買した場合は、以下のとおりです。

  • 2,000万円−1,500万円=500万円(差額が贈与とみなされる)
  • 500万円−110万円(年間110万円の基礎控除)=390万円
  • 390万円が課税対象となる
  • 課税対象額に対して10~55%の贈与税率が適用される(高額の恐れがある)

差額500万円には贈与税がかかる可能性があり、基礎控除を超える分には最大55%の税率が適用され、高額な負担になることもあります。


一方、親には譲渡所得税が課される場合があり、購入時より値上がりしているときに売却すると、利益に対して所得税・住民税は課税対象です。ただし、居住用財産の売却では3,000万円の特別控除が適用される場合が多く、実際の税負担は軽減されることがあります。


また、子が親のローンを実質的に引き継ぐことで、みなし贈与として判定されるリスクもあります。これらの税務リスクを回避するため、事前に税理士に相談し、適切な価格設定と手続きを行うことが重要です。

住宅ローン控除の適用要件に注意

子が新たに住宅ローン控除を受けるためには、複数の要件を満たす必要があります。適用要件を確認しましょう。


項目要件・注意点
居住要件子が住宅に実際に居住すること(住民票の移転必須)
床面積・50㎡以上(年収1,000万円以下は40㎡以上も可)
・居住スペースが床面積の1/2以上
中古住宅の耐震要件・1982年以降建築は新耐震基準適合
・1981年以前建築は耐震基準適合証明書が必要
返済期間住宅ローンの返済期間が10年以上であること
親子間売買の価格市場価格に近い適正価格での売買が必要
(著しく低い価格はみなし贈与となり控除不可の可能性あり)
控除額・年末ローン残高の0.7%を最大13年間控除
(中古住宅は原則10年間)
・控除額は所得税額が上限
その他・合計所得2,000万円以下
・売買契約後6か月以内に入居
・他の住宅ローン控除や譲渡特例と重複不可など


配偶者や直系血族からの取得では控除が制限される場合もあるため、事前に税務署への確認が必要です。控除の恩恵を最大限に活用するため、適用要件を詳しく調べておきましょう。

井村FP

【現役FPのコメント】


親子間売買では、評価書の提出や高めの金利・頭金が求められることが多いほか、売買価格が相場から乖離していると贈与税の課税や控除の適用不可につながるリスクがあります。さらに、延滞履歴や勤続年数は審査に直結するため、事前の信用情報確認と家計の見直しが重要です。


こうした複雑な条件を踏まえると、専門家の助言を受けることが有効です。マネーキャリアでは、住宅ローンや贈与・相続に精通したFPがオンラインで無料相談を行い、家計状況に応じた借り換えシミュレーションや税務面での対策を提案します。


専門家の伴走を得ることで、安心して親子間の住宅ローン問題に対応可能です。


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【実際どうだった?】親の住宅ローンを払った方にアンケート

親の住宅ローンを引き継ぐ際には、実際に経験した方々の声が非常に参考になります。メリットやデメリットだけでなく、リアルな体験談を知ることで、現実的で納得のいく判断がしやすくなるでしょう。


ここでは、名義変更または借り換えを選んだ方々へのアンケート結果をもとに、体験談をご紹介します。実体験をもとに、自分に合った最適な方法を見つける参考にしてください。

名義変更・借り換えのどちらを選択しましたか?

アンケート結果によると「親のローンを支払ったことがある人」のうち、64.3%が名義変更を選択し、28.6%が借り換えを選んでいました。


その他の方法を選んだ人は7.1%にとどまり、多くの方が何らかの形で名義変更か借り換えを選択していることがわかります。名義変更が過半数を占めている背景には、金融機関との手続きのしやすさや、当初から親子リレーローンを活用していたケースが考えられるでしょう。

井村FP
一方で、借り換えを選んだ方は、返済条件の見直しや新たな名義での契約を重視した可能性があります。この結果からも、自身の状況や将来設計に合った方法を選ぶことの重要性がうかがえます。

名義変更をした結果、後悔したことは何ですか?

名義変更を経験した人のうち36.4%が「金銭的負担の増加」を後悔の理由に挙げています。これは、諸費用や税負担の想定以上の大きさが影響していると考えられます。また「信用情報やローン審査への影響」を挙げた人も18.2%おり、自身の将来の資金計画に支障が出たケースもあるようです。


その他(家族間トラブルや手続きの複雑さなど)と回答した人も18.1%いました。名義変更は単なる手続きではなく、家族関係や将来の生活にも影響を及ぼすことがあるようです。

井村FP
一方で27.3%はとくに後悔していないと回答しており、しっかりとした準備と理解があれば、満足のいく選択となることもわかります。

借り換えをした結果、後悔したことは何ですか?

借り換えを経験した人のうち50%が「メリットが薄い」と感じており、期待した効果が得られなかったケースが多いことがわかります。


「手数料が高い」と「コスト面を考慮していなかった」という回答は、それぞれ25%を占めました。事前に費用や条件をしっかり確認していなかったことが、後悔の原因となっているようです。

井村FP
借り換えは金利や返済期間の見直しによって将来的な負担軽減を図る方法です。


ただし、手続き費用や諸経費を差し引くと実質的なメリットが小さい場合もあります。借り換えを検討する際には、総コストと返済効果を比較し、十分な試算と専門家への相談を行うことが重要です。

今後、親の住宅ローンを払う方にアドバイスがあれば教えてください

親の住宅ローンを引き継ぐ際には「名義はどうするのか」「将来的に誰の資産になるのか」など、感情では割り切れない現実的な問題がいくつも発生します。とくに、家族間での取り決めが曖昧なまま進めてしまうと、後々トラブルに発展するリスクも少なくありません。


名義変更や借り換えにはコストが発生し、制度を理解せずに進めると想定外の負担を背負いかねません。以下の口コミは、そうした実体験をもとにした貴重なアドバイスです。

60代男性


トラブルを避けるために、事前の対策が必要

親の名義でローンを払い続けていると、将来自分の所有になる保証がなく不安に感じます。安心のためには、譲渡の意思を示す書面を残してもらうか、贈与税の負担が小さいうちに名義を変更しておく方が安全だと思います。やはり、将来のトラブルを避けるには早めの準備が大切ですね。

50代女性


複雑な名義と支払い事情

土地は夫と夫の姉の共有名義ですが、固定資産税は夫がすべて負担しています。さらに、その土地に建っている家は夫の母名義の住宅ローンで建てられたもので、とても複雑です。最終的に私たちがローンを払ったものの、その証拠は残っていません。まだ結果が見えない状況なので具体的なアドバイスはできませんが、将来損をしないように事前に備えておくことが大切だと感じます。

30代男性


感覚ではなく、数字と根拠に基づいた判断

住宅ローンの引き継ぎを考える際は、金額によって「名義変更」と「借り換え」のどちらが適しているかが大きく変わってきます。それぞれにかかる費用や税金、手続きの負担も異なるため、両方のケースでしっかりと予算を立てて比較検討することが重要です。感覚ではなく、数字と根拠に基づいた判断をおすすめします。

30代男性


親が元気なうちに話し合っておくこと

親の住宅ローンを引き継ぐ可能性があるなら、親が元気なうちに兄弟姉妹で話し合っておくことが大事だと思います。相続や名義のことを後回しにすると、トラブルや感情的な対立につながりやすいからです。将来の負担や役割をはっきりさせるためにも、早めに意見を共有して方針を決めておく方が安心できます。

20代男性


感情だけで決めず、静に判断することが大切

親の住宅ローンを引き継ぐかどうかは感情だけで決めない方がいいと思います。税金や相続、住宅ローン控除など制度面も含めて、冷静に判断することが大切です。税理士やFPなど専門家に相談すれば不利な選択を避けやすいですし、家族みんなで話し合うことも欠かせないと感じました。

井村FP

住宅ローンの引き継ぎは、単に返済を続ければよいという問題ではありません。権利関係の整理、税務上の取り扱い、家族間の合意形成といった要素が不可欠です。


とくに名義や費用分担を曖昧にするとトラブルにつながりやすいため、親が健在のうちに兄弟姉妹で協議し、必要に応じて専門家へ相談しておくことが望ましいでしょう。


また、感情ではなく制度や費用の全体像を把握して判断することが、後悔を防ぐ鍵となります。FPなど専門家の助言を受けることで、安心して将来に備えることができます

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【まとめ】親の住宅ローンを子が払う方法とは?【名義変更・借り換え別】

住宅ローン相談窓口マネーキャリア

親の住宅ローンを子が引き継ぐ方法には、名義変更と借り換えの2種類があり、それぞれに金融機関の審査や税務リスクといった留意点があります。目的が返済負担の軽減や住環境の維持であれば、適切な方法を選ぶことで大きな効果が期待できます。


実際、多くのケースで名義変更が選択され、事前準備が整っていれば満足度も高い結果となっています。ただし、予想以上の税金や諸費用が発生し後悔する例もあるため、十分な情報収集と専門家への相談が欠かせません。


また、こうした手続きや税務判断を自己判断で進めるのは困難です。住宅ローンに精通したFPに相談することが有効であり、マネーキャリアでは相談満足度98.6%の実績を持つ専門家が、家族構成や収入、ローン残高を踏まえて最適な方法を提案します。


さらに、オンラインで何度でも無料相談が可能なため、忙しい方でも自宅から利用でき、税務面の不安解消から手続きサポートまで包括的に支援を受けられます。

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