この記事の監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次
節約・貯金はとても大切

まず大前提として、節約・貯金に励むことはとても大切です。
ある程度のお金があれば、生活にゆとりが生まれ、できる事も増え、将来の不安を解消することができるなど、多くのメリットがあります。
自分や家族の生活を守るためにも、節約に努め、貯金や投資に励むことは必ず必要なことです。
しかし、あまりにも節約に固執しすぎると、弊害が発生する可能性もあります。
節約・貯金のしすぎによって生じるデメリット
節約や貯金は大切ですが、行き過ぎると以下のようなデメリットが生じる可能性があります。
- 毎日の生活がマンネリ化してしまう可能性がある
- 新たな発見・向上心がなくなる可能性がある
- 周りの人達に共感できなくなる可能性がある
- 健康を損なう可能性がある
過度な節約は、生活の単調化や人間関係の希薄化、健康リスクを招く可能性があります。
例えば、楽しみを削りすぎるとストレスが溜まり、無理な節約が体調不良につながることも。
節約は大切ですが、無理のない範囲で続けることが重要です。
毎日の生活がマンネリ化してしまう可能性がある
節約を徹底しすぎると、生活が単調になりマンネリ化する可能性があります。
余分な支出を徹底的に削る生活を続けると、固定された行動パターンから抜け出しにくくなるでしょう。
たとえば、以下のような行動を避けるようになりがちです。
- なんとなく欲しい物を買う
- 友人と外食や飲みに行く
- 思いがけないイベントや旅行に参加する
規則正しい節約生活は長期的には重要ですが、同じ日常を繰り返すだけでは新鮮な刺激が失われ、人生全体が単調になってしまいます。
節約と楽しみのバランスを保ち、息抜きや自己投資にも適度に資金を回すことで、生活に潤いを持たせながら健全な家計管理が実現できるでしょう。
新たな発見・向上心がなくなる可能性がある
節約を意識しすぎると、新たな発見や向上心を失う可能性があります。
出費を抑える生活が続くと決まった行動パターンに縛られやすくなり、節約生活が長引くと次のような問題が生じる恐れがあるでしょう。
- お金を使うことに罪悪感を覚え、適切な支出ができなくなる
- 新しい体験を避けることで、発見や学びの機会が減る
- 保守的な考え方が強まり、向上心が低下する
この状態が長く続けば新しい挑戦への意欲が失われます。
仕事においても昇進やキャリアアップの機会を逃し、収入が伸び悩んで将来的な選択肢も狭まってしまう可能性があります。
節約は重要ですが、自己成長や新しい経験の機会を犠牲にしないようバランスを保ち、適度な自己投資を行うことで長期的には豊かな人生につながるでしょう。
周りの人達に共感できなくなる可能性がある
節約に熱心になりすぎると、周囲との価値観にズレが生じ、人間関係が希薄になる可能性があります。
実際には節約や貯蓄を継続できる人は少数派で、多くの人は浪費傾向にあり貯金が苦手だと言われています。
そのため、節約を徹底するうちに、周囲の人との考え方にギャップが生まれ、次のような状況に陥ることがあります。
- お金の使い方の価値観が合わず、会話が噛み合わなくなる
- 交際費を削りすぎて、人付き合いが減る
- 節約を優先しすぎて、友人や家族との関係が希薄になる
節約や貯蓄は大切ですが、周囲との関係を維持しながらバランスよく実践することが重要です。
人とのつながりを保つことも、豊かな人生を送るうえで欠かせない要素と言えるでしょう。
健康を損なう可能性がある
極端な節約は健康を損なうリスクが高いため注意が必要です。
食費や光熱費を過度に削る生活を続けると、身体的・精神的な健康に悪影響が及ぶ可能性があり、具体的には以下のようなリスクが考えられます。
- 必要な栄養が不足し、体調を崩しやすくなる
- 暑さや寒さを我慢しすぎることで、体調不良を引き起こす
- 節約のストレスが積み重なり、精神的に疲れてしまう
健康を害してしまえば、どれだけお金を貯めても有意義に使うことはできません。
無理のない範囲で節約を進め、健康を最優先に考えることが大切であり、長期的な視点で見れば健康維持こそが最も重要な投資と言えるでしょう。
節約しすぎな人によくある落とし穴とは?現役FPに聞いてみた【座談会】
節約は家計を整えるうえでとても大切な習慣です。
ですが、やみくもに節約を続けていると、実は“将来の損”や“家計の悪化”につながることもあります。
今回は、ファイナンシャルプランナー(FP)の加藤さんと奥山さんに、節約しすぎる人が陥りやすい落とし穴について実際の事例を交えながら伺いました。

必要な支出まで削ってしまう
——まずは「必要な支出まで削ってしまうケース」について伺います。
加藤FP:節約を意識するのはいいことなんですが、やりすぎると“必要な支出”まで削ってしまう人が結構多いです。特に医療費、保険、住宅の修繕費、教育費など、将来の安心につながる部分を過度に削ってしまうのは危険です。
奥山FP:ありますね。あるご家庭では「医療費をできるだけ使いたくない」と定期検診を先延ばしにしていた結果、病気の発見が遅れてしまい、治療費が何倍にも膨れたというケースがありました。節約のつもりが逆に出費を増やしてしまう典型です。
加藤FP:住宅関連もよくあります。ちょっとした修繕を我慢していたら劣化が進んで、大きなリフォーム費用が必要になってしまうケースは少なくありません。
奥山FP:節約で怖いのは、目先の支出を抑えることに集中しすぎて、中長期的なコストを見落とすことです。固定費の節約は非常に大事なことではありますが、やっぱり過度に削りすぎるのはよくないですよね。
加藤FP:本当に削るべきラインと、削ってはいけないラインの見極めが大事ということですね。 奥山FP:そうそう。節約は「量」ではなく「質」。ただ我慢するだけでは、結果的に家計を悪化させてしまうこともあります。
節約が目的になってしまう
——次に「節約自体が目的になってしまうケース」について伺います。 加藤FP:節約は本来、将来の支出や目標のためにお金を貯める“手段”なんですが、いつの間にか節約することそのものがゴールになってしまう人も多いです。
奥山FP:そうですね。本来なら、目標金額が明確であれば、その金額に向けてバランスよく貯蓄・支出すればいいはずです。ところが、目標がないまま節約を続けてしまって「今を楽しめない」という状態に陥る人も少なくありません。
加藤FP:実際、FP相談でも「もっと節約しなきゃ」と悩んでいる方の中には、すでに十分な貯蓄ができているケースも多いです。それでも使うことに罪悪感を持ってしまう。
奥山FP:こういうケースでは、まずライフプランを整理して、貯蓄目標と“今使っていいお金”を明確にすることが大切です。見える化すると、安心してお金を使えるようになる方が多いですね。
加藤FP:節約は大事ですが、我慢ばかりでは心がすり減ってしまいます。適切なバランスを見つけることが家計改善の鍵です。
奥山FP:節約の先に「何のためにお金を使いたいのか」というゴールがあると、日々の暮らしにも余裕が生まれますよ。
無理なく続ける節約生活
節約を継続するためには、目標設定と支出の管理を徹底し、適度なご褒美を取り入れることが重要です。
無理なく続けるためのポイントは以下の通りです。
- 目標を明確にする→貯金の目的を具体化する
- 支出を管理する→家計簿アプリなどで可視化
- 適度にご褒美を設ける→月1回は好きなことに使う
節約は一時的な我慢ではなく、持続可能な習慣にすることが大切です。
無理な節約はストレスや生活の質の低下につながるため、バランスを意識しながら長期的に続けられる方法を取り入れましょう。
節約・貯金を続ける上で大切にしたいこと
節約・貯金は将来のために必要ですが、行き過ぎると生活の質を下げるリスクがあります。
大切なのは以下のようにバランスを取ることです。
- 基本的な節約術を身につける→無理なく続けられる方法を取り入れる
- 適度な息抜きをする→楽しみながら節約を継続
- お金の使い方も考える→自己成長や人間関係にも投資する
節約は「お金を貯めること」だけが目的ではありません。
人生を楽しみながら、上手にお金を使うことも意識し、無理のない節約を続けましょう。
節約のやりすぎにはデメリットが複数ある【まとめ】

節約は将来のために重要ですが、やりすぎると生活の楽しみが減り、健康や人間関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
無理なく続けるためには、必要な支出とのバランスを取りながら、適度な息抜きを取り入れることが大切です。
節約は「貯めること」だけでなく、「人生を豊かにするための手段」として考えましょう。
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