
- 結論、NISAの失敗例は多々ありますが、リスクに対してどのような対策をすべきか知っておけば効率よく資産形成ができる手段です。

監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次
- NISAの仕組みとメリット
- ブログや知恵袋でよくあるNISAの失敗談
- 余裕資金がないのに投資を始めた
- 積立金額の設定が高すぎた
- 口座開設後に放置した
- 特徴を理解していない商品に投資した
- 一時的な価格変動に敏感になった
- 希望する商品を販売していない金融機関を選んだ
- NISAの失敗談から学ぶ後悔しないための対策
- 長期・分散投資を行う
- リスク許容度にあった商品を選ぶ
- 余剰資金を準備してから始める
- 専門家に相談する【おすすめ】
- NISAで失敗しないか不安ならFPに無料相談してみよう
- NISAのデメリットと注意点
- 元本割れのリスクがある
- 短期的な運用には向かない
- 投資できる商品が限られる
- 投資額に上限がある
- NISAの失敗談から学ぶ対策!【まとめ】
NISAの仕組みとメリット
NISAとは少額からの投資を行う方のために2014年1月にスタートした「少額投資非課税制度」です。
NISAの主な特徴・メリットは以下のとおりです。
▼NISAの主な特徴
- 非課税保有期間が無期限
- 年間投資枠がつみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円
- 長期・分散投資に適した投資信託が対象
- 18歳以上の日本居住者が利用可能
- 運用益が非課税で確定申告も不要
- 購入回数に上限がない
ブログや知恵袋でよくあるNISAの失敗談
ブログや知恵袋でよくあるNISAの失敗談は以下のとおりです。
- 余裕資金がないのに投資を始めた
- 積立金額の設定が高すぎた
- 口座開設後に放置した
- 特徴を理解していない商品に投資した
- 一時的な価格変動に敏感になった
- 希望する商品を販売していない金融機関を選んだ
余裕資金がないのに投資を始めた
1つめは、余裕資金がないのに投資を始めたケースです。
「急な出費で現金が必要になったため、運用金額が購入金額を下回っている状態で売却せざるを得なかった」という声が多く聞かれます。
また、「毎月の生活費が足りなくなり、投資資金を取り崩すことになった結果、長期投資の効果を得られなかった」という事例もあります。
NISAは本来、余裕資金で長期間運用することで複利効果を最大化する制度ですが、生活資金と投資資金の区別をしなかったことが原因で起こった失敗談です。
積立金額の設定が高すぎた
2つめは、積立金額の設定が高すぎたケースです。
「毎月数万円の積立設定をしたが、家計が苦しくなって短期間で積立を停止することになった」という声が目立ちます。
また、「ボーナス時期に合わせて高額設定したが、ボーナスが減額されて継続できなくなった」という事例もあります。
NISAは積立タイミングを分散することで安定した利益を求める制度なのに、家計の収支バランスを考慮せずに無理な金額設定をしてしまったことが原因で起こった失敗談です。
口座開設後に放置した
3つめは、口座開設後に放置したケースです。
「NISA口座を開設したものの、商品選びが分からず何も投資しなかった」という声が多く聞かれます。
また、「積立設定をしたが、運用状況を一度も確認せず、気がついたら購入金額を大きく下回っていた」という事例もあります。
NISAは非課税期間が無制限ではあるものの、早期に投資を開始することで非課税メリットを最大化できる制度なのに、投資商品の選び方や運用管理の方法を学ばずに放置してしまったことが原因で起こった失敗談です。
特徴を理解していない商品に投資した
4つめは、特徴を理解していない商品に投資したケースです。
「人気の高い投資信託を選んだが、リスクの高い商品で大きな損失を出した」という声が目立ちます。
また、「手数料の安さだけで選んだ商品が、想定していた投資対象と全く違う内容だった」という事例もあります。
NISAは長期投資に適した安定的な商品で運用することが基本なのに、投資商品のリスク特性や投資対象を十分に調べずに選択してしまったことが原因で起こった失敗談です。
一時的な価格変動に敏感になった
5つめは、一時的な価格変動に敏感になってしまったケースです。
「投資信託の価格が下落した際に、慌てて全て売却してしまった」という声が多く聞かれます。
また、「毎日運用金額をチェックして、少し下がるたびに不安になって売買を繰り返した結果、運用効果をあまり受けられなかった」という事例もあります。
NISAは長期投資で一時的な価格変動を乗り越えることで安定したリターンを目指す制度なのに、短期的な値動きに動揺して感情的な判断をしてしまったことが原因で起こった失敗談です。
希望する商品を販売していない金融機関を選んだ
6つめは、希望する商品を販売していない金融機関を選んだケースです。
「メガバンクでNISA口座を開設したが、手数料の安いインデックスファンドの取扱いが少なく、高コストの商品しか選択肢がなかった」という声が目立ちます。
また、「友人に勧められた投資信託を購入しようとしたが、口座開設した証券会社では取り扱っておらず、口座変更の手続きに時間がかかった」という事例もあります。
NISAは商品選択の自由度が高く、多様な投資信託から最適なものを選べる制度なのに、事前に各金融機関の商品ラインナップや手数料体系を比較検討しなかったことが原因で起こった失敗談です。
NISAの失敗談から学ぶ後悔しないための対策
NISAの失敗談から学ぶ後悔しないための対策は以下のとおりです。
- 長期・分散投資を行う
- リスク許容度にあった商品を選ぶ
- 余剰資金を準備してから始める
- 専門家に相談する【おすすめ】
長期・分散投資を行う
NISAで後悔しないためのポイント1つ目は「長期・分散投資を行う」ことです。
NISAの投資対象である投資信託は、価格変動が起こるので、少なからず元本割れリスクはあります。
しかし、長期投資・分散投資を行うことで価格変動した際のリスクをある程度調節することができます。
コロナウイルスが流行した2019年のように、世界情勢の変化による一時的な暴落はあり得ますが、長期的に見ると価格が元通りに回復することが多いため、分散投資によって変動した際の損を少なくして長期投資を無理なく行うことが大切です。
リスク許容度にあった商品を選ぶ
NISAで後悔しないためのポイント2つ目は「リスク許容度にあった商品を選ぶ」ことです。
NISAでは多様な商品から自由に選んで運用できます。そのため、自身のリスク許容度に応じた商品を選ぶことが大切です。
例えばインデックスファンドは価格変動が少ないうえに、信託報酬も低い傾向があるので、投資初心者におすすめです。
数ある商品の中から、自分のリスク許容度にあった商品を選んで運用するようにしましょう。
余剰資金を準備してから始める
NISAで後悔しないためのポイント3つ目は「余剰資金を準備してから始める」ことです。
NISAの積立額は無理のない範囲で設定することが重要です。教育資金や住宅ローン資金、生活費を確保したうえで、残った余剰資金を資産運用に回しましょう。
余裕がない中でつみたてNISAを始めても、途中解約や積立停止をする可能性があります。
一般的には、生活費の3~6ヶ月分を目安に「生活防衛資金」を取っておき、余った残りのお金で運用するようにするのがおすすめです。
専門家に相談する【おすすめ】
NISAで後悔しないためのポイント4つ目は「専門家(FP)に相談する」ことです。
NISAの情報はネットで調べることでたくさん出てきますが、それぞれ主張が異なるため、投資初心者の方にとってはどれが正しいのか分からず、NISAを敬遠してしまう原因の一つとなっています。
そこで、NISAについて知識が少ない、勉強する段階から専門家(FP)の力を借りることで偏りのない情報を得ることができ、適切な運用ができるようになります。
「NISAはしたいけど勉強するのは億劫」という場合はぜひ専門家(FP)に相談してみましょう。
NISAで失敗しないか不安ならFPに無料相談してみよう
NISAで失敗しないか不安な場合はFPに無料相談して解決するのがおすすめです。
FPはNISAの数多くの失敗談とそれぞれの原因・対処法を把握しているため、リスクが怖い人こそFP相談窓口を活用してアドバイスを受けるのがおすすめです。
また、価格変動時に売却を検討するべき基準や自分のリスク許容度にあった商品の選び方をレクチャーしてくれるので、NISAを始めた後のサポートも受けられる安心感があります。
「NISAのリスクが怖くて始められない...」という方はぜひFPに相談することを検討しましょう。
FPに相談するなら無料で相談できるマネーキャリアがおすすめです。
- リスク管理とリスク許容度の考え方を解説してもらえる
- 運用シミュレーションを元にどれくらいの利益を見込めるか可視化してもらえる
- オンラインで手軽に相談できる
- 納得いくまで何度でも相談無料
NISAのデメリットと注意点
NISAにはメリットだけでなく、以下のようなデメリット・注意すべきポイントがあります。
- 元本割れのリスクがある
- 短期的な運用には向かない
- 投資できる商品が限られる
- 投資額に上限がある
元本割れのリスクがある
1つめは元本割れリスクがあることです。
投資信託や株式などの金融商品は価格が変動するため、投資した元本を下回る可能性があります。
特に、投資を始めたタイミングが悪い場合や、短期間で売却する場合は、大きな損失を被る可能性もあります。
ただし、長期投資を継続することで、一時的な価格変動の影響を軽減し、安定したリターンを得られる可能性が高まるため大きな問題ではありません。
短期的な運用には向かない
NISAは短期的な運用には向かないというデメリットがあります。
投資信託や株式は短期間では価格変動が大きく、数ヶ月から1年程度の運用では損失を被る可能性が高くなります。
また、頻繁に売買を行うと手数料がかさんだり複利効果が受けられなかったりして、せっかくのNISAのメリットが相殺されてしまう場合もあります。
NISAのメリットを最大限に発揮するためにも、最低でも5年以上、できれば10年以上の長期投資を前提とした運用を心がけましょう。
投資できる商品が限られる
NISAでは投資できる商品が限られているというデメリットがあります。
NISAでは上場株式や投資信託、ETFなどが対象ですが、個人向け国債や社債、外国債券などは対象外となっています。
ただし、対象商品は長期投資に適した安定的なものが選ばれているため、初心者にとっては商品選びの迷いが少なくなるというメリットもあります。
投資額に上限がある
NISAには投資額に上限があるというデメリットがあります。
2024年から始まった新NISAでは、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円、合計で年間360万円が上限となっています。
また、生涯投資枠は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円)に設定されており、この金額を超えて投資することはできません。
高額な資産を持つ投資家にとっては、この上限が制約となる場合があります。
ただし、一般的な個人投資家にとっては十分な投資枠が用意されており、長期的な資産形成には十分活用できる制度と言えます。
NISAの失敗談から学ぶ対策!【まとめ】
この記事では、NISAの特徴や具体的な失敗例、失敗例から学ぶ対策について解説しました。
NISAの失敗例として、積立金額の設定のミスや事前に把握しておくべきポイントを抑えていなかったなどの原因があります。
ですが、NISAの前提である長期投資・分散投資を行うことや各リスクへの対策を事前に把握することで比較的安心して運用することができます。