
「iDeCoは年払い(一括払い)と月払いどっちがいい?」
「iDeCoで年払い(一括払い)するデメリットはある?」
とお悩みではないでしょうか。
- 結論、それぞれメリット・デメリットがあり、家計状況や運用目的に応じて最適な方法を選ぶことが必要があります。
そこでこの記事では、iDeCoの年払いと月払いを比較し、年払いがおすすめな人・月払いがおすすめな人の特徴を解説していきます。
さらに、メリット・デメリットの詳細や、実際に年払い(一括払い)で拠出している人へのアンケートも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
※2024年12月より企業年金制度(企業DCやDB等)に加入している会社員・公務員は、iDeCoの拠出方法が毎月定額払いのみになります。(参照:iDeCoの掛金・年単位拠出)
※企業年金制度に加入していない方は、引き続き年単位の拠出方法も選択可能です。

監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
>> 井村 那奈の詳細な経歴を見る
この記事の目次
- iDeCoの拠出方法は2種類!年払い(一括払い)と月払いの基本を解説
- iDeCoは年払い(一括払い)と月払いどっちがいいの?
- iDeCoで年払い(一括払い)と月払いで迷ったらiDeCo無料相談窓口を活用しよう
- iDeCoで年払い(一括払い)するメリット
- まとまった額を早く拠出に回すことで運用効率がよくなる
- ボーナスなど臨時収入を活用しやすい
- 年末でも拠出できるため所得控除枠を無駄なく使える
- iDeCoで年払い(一括払い)するデメリット
- 資金をまとめて用意する必要がある
- 拠出タイミングによる価格変動リスクがある
- 毎月の積立に比べて計画的な資金管理がしにくい
- iDeCoで年払い(一括払い)で拠出している人にアンケート【実際どう?】
- 年払い(一括払い)に決めた理由はなんですか?
- 年払い(一括払い)をして後悔したことはありますか?
- 年払い(一括払い)を検討している人にアドバイスがあれば教えてください
- iDeCoの拠出方法や金額は自分に合った方法を選択しよう
iDeCoの拠出方法は2種類!年払い(一括払い)と月払いの基本を解説
まず初めに、iDeCoの拠出方法には2種類あり、以下表に拠出方法と特徴をまとめます。
拠出方法 | 特徴 | |
---|---|---|
年払い (一括払い) | 1年で好きな月に、 好きな回数だけ分けて支払う | ・一括払いも可能 ・収入の多い月にまとめて拠出しやすい |
月払い | 毎月一定額を支払う | ・家計管理がしやすい ・無理なく継続しやすい |
このように年払いは拠出方法が柔軟で、余裕があればまとまった資金を一度に拠出することが可能です。
一方で、月払いは毎月コツコツと積み立てていきたい人に向いており、定額を支払うスタイルになっています。
iDeCoは年払い(一括払い)と月払いどっちがいいの?
iDeCoは年払い(一括払い)と月払い、どちらが良いかはあなたの家計状況や運用する商品などによって異なります。
以下にそれぞれどのような人におすすめかとまとめました。
家計状況 | 運用商品 | |
---|---|---|
年払い(一括払い)がおすすめな人 | 余裕がある | リスクが低い |
月払いがおすすめな人 | 余裕がない | リスクが高い |
家計に余裕があり、まとまった資金を年に一度用意できる人や、節税枠を年末にまとめて使いたい人には年払い(一括払い)が向いています。
一方で、毎月コツコツ積み立てていきたい人や、急な出費に備えて資金を分散管理したい人には月払いが向いています。
また、運用効率やリスク分散の観点では、月払い(毎月積立)の方がドルコスト平均法の効果を得やすいというメリットもあります。
特にリスクの高い商品を選ぶ場合は月払い(毎月積立)の方がリスク分散効果が高く、一般的におすすめです。
iDeCoで年払い(一括払い)と月払いで迷ったらiDeCo無料相談窓口を活用しよう
iDeCoで年払い(一括払い)と月払いで迷った場合は、無料相談窓口の活用がおすすめです。
拠出方法の選択は、家計の状況や運用方針によって最適な答えが異なるため専門家(FP)の観点が必要だからです。
iDeCoでは判断に迷うポイントが多いため、自分に合った方法を選ぶには、FPなどお金の専門家によるアドバイスが有効です。
無理のない資産形成を進めるためにも、iDeCoに詳しい専門家に相談して最適な拠出スタイルを見つけましょう。
- 自分の家計や投資スタイルに合った拠出方法をアドバイスしてくれる
- 年払いと月払いのメリット・デメリットを比較しながら提案してもらえる
- 運用方法や商品の選び方などiDeCoに関することは何でも無料で相談できる
iDeCoで年払い(一括払い)するメリット
ここでは、iDeCoで年払い(一括払い)するメリット以下に紹介します。
- まとまった額を早く拠出に回すことで運用効率がよくなる
- ボーナスなど臨時収入を活用しやすい
- 年末でも拠出できるため所得控除枠を無駄なく使える
まとまった額を早く拠出に回すことで運用効率がよくなる
一つ目のメリットは、まとまった額を早く拠出に回すことで運用効率がよくなることです。
まとめて早期に拠出すれば、その分だけ長期間運用に回すことができ、複利効果をより多く得られる可能性があるということです。
たとえば月払いだと毎月少しずつの積立ですが、年払いで1月に拠出すれば同じ金額でも11ヶ月分早く運用が始められ、その差が長期的な資産形成に大きく影響します。
資金に余裕がある人ほど、年初の一括拠出を検討する価値があります。
ボーナスなど臨時収入を活用しやすい
二つ目のメリットは、ボーナスなど臨時収入を活用しやすいことです。
ボーナス時期に合わせてまとめて拠出すれば、生活費とのバランスがとりやすくなり、急な支出にも対応しやすくなります。
また、年末に近づいてから「控除枠を使い切れていない」と気づいた場合でも、一括での対応が可能です。
このように、資金の流動性を確保しながら節税メリットを最大化したい方に向いています。
年末でも拠出できるため所得控除枠を無駄なく使える
三つ目のメリットは、年末でも拠出できるため所得控除枠を無駄なく使えることです。
年末時点で控除枠を使い切れていないことに気づいた場合でも、対応が間に合うため、節税効果を最大限活用できます。
一括での拠出により、確定申告の際に控除額が増える分、翌年の住民税・所得税が軽減される可能性も高まります。
特にフリーランスや自営業の方など、年末に利益を調整したい場合に有効です。
計画的に控除枠を使い切ることで、効率的に資産形成ができる点が年払いの大きな魅力です。
iDeCoで年払い(一括払い)するデメリット
ここでは、iDeCoで年払い(一括払い)するデメリットも以下に紹介していきます。
- 資金をまとめて用意する必要がある
- 拠出タイミングによる価格変動リスクがある
- 毎月の積立に比べて計画的な資金管理がしにくい
資金をまとめて用意する必要がある
一つ目のデメリットは、資金をまとめて用意する必要があることです。
事前にまとまった資金を準備しておかないと、家計への影響が大きくなる可能性があります。
特に、突発的な出費や収入の変動がある場合には、急な支払いに対応できないリスクも伴います。
年払いの拠出額は、最大で年間27.6万円〜81.6万円(月額2.3万〜6.8万円×12ヵ月分)にもなるため注意が必要です。
生活費に支障が出るようであれば、無理のない月払いを選ぶ方が安心といえます。
拠出タイミングによる価格変動リスクがある
二つ目のデメリットは、拠出タイミングによる価格変動リスクがあることです。
iDeCoを年払いで一括拠出すると、その資金が一度に運用へ回るため、拠出タイミングの相場に大きく影響されます。
たとえば、相場が高騰している時期にまとめて投資すると、その後の値下がりで損失が出る可能性もあります。
月払いと違い、ドルコスト平均法の効果が得られにくいため、価格変動リスクの分散が難しいのがデメリットです。
特に価格変動の大きい商品を選んでいる場合は、拠出のタイミングに注意が必要です。
毎月の積立に比べて計画的な資金管理がしにくい
三つ目のデメリットは、毎月の積立に比べて計画的な資金管理がしにくいことです。
年払いでは、毎月のように定期的な出費がない分、資金管理の習慣が身につきにくい面があります。
月払いであれば毎月一定額を拠出するため、自然と収支バランスを見直す機会が増え、資産管理の意識も高まりやすくなります。
一方、年払いは資金を準備するまでの間に家計の状況が変わった場合、支払いが難しくなることもあり、その結果、無理な拠出や運用に繋がる恐れもあるため注意が必要です。
将来的な安定運用を目指すなら、自分のライフスタイルに合った拠出方法を選ぶことが重要です。
iDeCoで年払い(一括払い)で拠出している人にアンケート【実際どう?】
ここでは、iDeCoで年払い(一括払い)で拠出している人にアンケートを取った結果を紹介します。
以下がアンケート設問となります。
- 年払い(一括払い)に決めた理由はなんですか?
- 年払い(一括払い)をして後悔したことはありますか?
- 年払い(一括払い)を検討している人にアドバイスがあれば教えてください
年払い(一括払い)に決めた理由はなんですか?
一つ目のアンケートとして、年払い(一括払い)に決めた理由について以下にまとめます。
理由 | 割合 |
---|---|
年末にまとめて拠出して節税効果を最大化したかった | 34% |
ボーナスや臨時収入を活用したかった | 32% |
まとまった資金が手元にあった | 14% |
毎月の資金管理や積立手続きが面倒だった | 14% |
早く拠出して運用期間を長くしたかった | 6% |
この結果から、年末に一括拠出して節税メリットを狙う層と、ボーナスを活用する層がそれぞれ3割いることがわかり、最多の理由であることがわかりました。
次いで、退職金や預貯金などの余裕資金を一括で拠出し、事務負担も減らしたい層が14%と一定数いることがわかります。
一方、運用益拡大を狙う積極派は少数にとどまっていることがわかりました。
年払い(一括払い)をして後悔したことはありますか?
次のアンケートとして、年払い(一括払い)に決めた理由を以下に紹介します。
理由 | 割合 |
---|---|
急な出費があり資金繰りが苦しくなった | 23% |
市場が下落したタイミングで一括投資して損をした | 20% |
一度に大きな金額を用意するのが大変だった | 20% |
毎月積立の方がリスク分散できたと感じた | 9% |
特に後悔したことはない | 28% |
「特に後悔なし」が28%と最多でしたが、7割超は何らかの懸念を経験しています。
最も多い後悔は「急な出費による資金繰りが苦しい」で、有事の際に手元に持っておけるようになりたい事がわかりました。
また「市場下落での損失」と「資金準備の負担」も2割ずつあり、年払いはキャッシュフローと市場タイミングの管理が鍵ということも伺えます。
年払い(一括払い)を検討している人にアドバイスがあれば教えてください

20代男性
年間の手数料を比較して決めること
年払いを検討している方は、年間の手数料も比較してから決めることをおすすめします。私自身、月払いから年払いに切り替えたことでトータルの支払いがかなり安くなり、お得感がありました。

50代男性
支払時期と資金計画を考えておくこと
iDeCoで年払い(一括払い)の支払の設定時期だけはよく考えて設定して頂ければと思います。子どもの学校の入学などで入学金の支払時期、固定資産税の支払時期、生命保険等の年一括支払いなどとかぶると資金繰り的には大変です。

30代女性
急な出費への備えは必要
私みたいに一括払いにしている場合は、その一括の前に急な資金が必要になったりするので備えが必要です。本当になにがあるかわからないからです。実際私も急に困ったことがあったので、2年後の一括払いの資金は見ておいたほうがいいと思います。
iDeCoの拠出方法や金額は自分に合った方法を選択しよう
この記事では、iDeCoの拠出方法である年払い(一括払い)と月払いの違いや、それぞれのメリット・デメリットなどを紹介してきました。以下に本記事の内容をまとめます。
- 年払いは早めの拠出で複利効果を期待でき、節税対策としても有効
- 月払いは毎月少額から始められ、リスク分散しながら計画的な資産形成ができる
- 年払いには資金繰りや一括支出の負担がある一方で、月払いは支出の習慣化がしやすい
- 拠出のタイミングや金額の設定は、家計の状況や運用商品のリスクによって向き不向きが異なる