3歳差育児のデメリットとは？メリットだらけは本当？育児を乗り切るコツも解説

▼この記事を読んでわかること

• 3歳差育児のデメリット
• 3歳差育児のメリット
• 3歳差育児の資金面で注意したいこと

3歳差育児には魅力も多いですが、同時に3歳児差育児だからこその大変さも存在します。

ここでは、ママたちが苦労しやすい3歳児差のデメリット3つを解説します。

• 妊娠・新生児期と上の子のイヤイヤ期が重なる
• 卒業式や入学式がかぶる
• 教育費の大きな出費時期が重なる

3歳差育児において過酷な局面のひとつが、上の子のイヤイヤ期と下の子の妊娠・出産直後が同時に訪れることです。

一般的に2歳前後でピークを迎えるとされるイヤイヤ期ですが、3歳を過ぎても完全に落ち着くわけではなく、むしろ言葉が発達した分、より複雑な要求や反抗を示すケースも多く、親は心身ともに消耗してしまうことでしょう。

特に妊娠期間中は、つわりによる体調不良や身体的な制約により、活動的な上の子の遊び相手になるだけでも大きな負担となります。

このような二重三重の負荷が重なる状況では、パートナーや祖父母、一時保育などの外部サポートを積極的に活用することが、親の健康を守る上で極めて重要です。

3歳差の兄弟姉妹を持つ家庭では、卒業式や入学式といった重要な学校行事が同じ時期に集中する傾向があります。

公立校では特にこの現象が顕著で、上の子の卒業と下の子の入学が数週間のうちに立て続けに訪れるため、短期間に複数回の休暇取得が必要となり職場との調整が課題となります。

また、制服や学用品などの購入費用が一度に発生し家計への負担も大きくなるため、進学先が決定した段階で早めに年間スケジュールを確認しておくことが重要です。

家族全体で対応策を検討し、必要に応じて祖父母や親族のサポートを依頼するなど、事前準備を整えておくことで慌てずに両方の行事に参加できるでしょう。

3歳差育児では、教育関連の支出が同時期に集中しやすい傾向があります。

例えば、上の子が中学3年生で高校受験を控えているとき、下の子は中学校に入学するタイミングと重なり、受験費用や塾代と入学準備費が同時に発生します。

さらに上の子が高校3年生で大学進学、下の子が中学3年生で高校進学という場面では、数十万円から百万円を超える出費が重なる可能性もあるため注意してください。

通常の生活費に加えてこれだけの教育費が必要となるため、子どもが幼い頃から計画的な貯蓄や学資保険の活用など、早めの準備が重要です。

3歳差の兄弟姉妹のメリットは、育児の大変さを和らげる工夫がしやすい点にあります。

メリットは以下の5つです。

• 上の子が自分のことが自分でできるようなってくる
• 上の子が幼稚園に行くと日中は下の子だけと過ごせる
• 上の子が遊んでくれたり面倒を見たりしてくれる
• 幼稚園やこども園に兄弟枠で入園できる可能性がある

具体的に解説します。

3歳差だと、上の子は下の子が生まれる頃には食事や着替えなど、基本的な身の回りのことが自分でできる年齢に達しています。

たとえば、ママが「やってみようね」「ちょっと待っててね」と声をかけるだけで、上の子が自分で行動したり待ったりできるようになります。

下の子の対応で手が離せないときでも、上の子が自分で遊んだり着替えたりできれば、ママの負担はぐっと軽くなります。

さらに、上の子がある程度自立していることで、ママの気持ちにも余裕が生まれやすくなるのがポイントです。

心にゆとりを持って育児に向き合えるのは、3歳差育児ならではの大きなメリットといえます。

上の子が3歳で幼稚園やこども園に通い始めると、日中は下の子とゆったり過ごせる時間が増えます。

上の子が在宅していると、どうしても2人の対応で手が回らなくなりがちですが、登園中は下の子の授乳やお昼寝、遊びにしっかり向き合える時間を確保できます。

その分、ママは家事や休息の時間も取りやすくなり、心身の負担が軽くなるのも大きなメリットです。

年齢差が3歳あると、上の子は下の子に対してお兄ちゃんやお姉ちゃんとしての自覚が芽生えやすくなります。 

たとえば、下の子が泣いているときにあやしたり、一緒におもちゃで遊んだりと、上の子の関わりによってママの負担が軽くなることも少なくありません。

こうしたやりとりは兄弟の絆を深めるだけでなく、上の子の責任感や思いやりを育むきっかけにもなります。

3歳差という年齢差が、良好な兄弟関係とママの心身のゆとり、両方を支える土台になるのです。

幼稚園やこども園にとっては、兄弟姉妹がすでに通っている場合、兄弟枠で優先入園できる制度を設けています。

3歳差の場合、上の子の在園中に下の子の入園時期が重なるため、兄弟枠を利用できる可能性が高くなります。

兄弟枠を活用すれば、人気の園でも抽選なしで入園できるケースがあり、入園手続きや入園後の不安を軽減できる点が大きなメリットです。

ただし、兄弟枠の有無や利用条件は園によって異なるため、早めの確認が欠かせません。

3歳差の兄弟は、上の子が使っていた制服や学用品を下の子におさがりとして使えるケースが多いです。

たとえば、上の子が中学校に入学したときに購入した制服や体操服を、下の子が同じ学校に進学する際にそのまま使えば、新しく買い揃える費用を大きく抑えることが可能です。

同性の兄弟であればサイズやデザインの違いが少なく、制服だけでなくカバンや靴下といった細かなアイテムまで無駄なく使い回せるのが魅力です。

異性の場合でも、文房具や体操着、通学バッグなど性別に左右されないアイテムは多く、家計への負担軽減につながります。

3歳差育児は「ちょうどいい年の差」と言われることも多く、実際にメリットもたくさんあります。

ただ、その一方で、上の子と下の子の支出が重なるタイミングが多くなるため、家計のやりくりに苦労する家庭も少なくありません。

今回は、ファイナンシャルプランナー（FP）の加藤さんと奥山さんに、実際の相談事例を交えながら、3歳差育児で特に注意したい資金面のポイントを伺いました。

※左側：奥山FP、右側：加藤FP

——まずは「入園・進級などのイベント支出」が重なる点について伺います。

加藤FP：3歳差育児だと、上の子が進級、下の子が入園というタイミングが重なるケースが多いです。この時期、春先に制服代や入園費、進級費などが一気にかかるんですよね。

奥山FP：そうですね。あるご家庭では、入園・進級の年に合計で20万円以上かかったというケースもありました。1人分だけでも負担が大きいのに、2人同時となるとインパクトはかなりあります。

加藤FP：しかも、入園準備って“細かい出費”が多いんです。カバン、靴、通園グッズ、お弁当用品など、ひとつひとつは数千円でも積み上がると大きな金額になります。

奥山FP：入園や進級の時期って、ちょうど年度替わりで他の支出も増える時期なんですよ。例えば固定資産税の支払いや車の保険更新と重なるご家庭もあります。

加藤FP：だからこそ、春先に向けて“入園・進級予算”を事前に積み立てておくのがおすすめです。実際、この事前準備をしているかどうかで、家計の余裕度が全然違います。

奥山FP：イベント支出は突発ではなく“予測できる出費”ですから、計画的に準備するだけでもかなり安心感が変わりますね。

——では次に、「収入の変化」について伺います。

加藤FP：3歳差だと、ちょうど上の子が保育園に通っているタイミングで、下の子の出産・育休に入る方が多いですよね。支出が増える一方で、収入が一時的に減るというのがよくある落とし穴です。

奥山FP：実際、育休中の手当を過信してしまうケースもあります。手当である程度カバーできると考えていたけれど、実際は収入が月10万円近く減って、家計が一気に厳しくなったという相談もありました。

加藤FP：さらに、育休明けもすぐフルタイムに戻れず、時短勤務が続くことで想定より長く収入が戻らないというケースもあります。ここを見落としがちなんですよね。

奥山FP：しかも上の子の保育料や習い事はそのまま続いているので、収入と支出のバランスが一時的に崩れやすい。貯蓄を切り崩してなんとか乗り切るご家庭も多いです。

加藤FP：事前に収入減のシミュレーションをしておけば、育休中にどれくらいの支出を抑える必要があるか、あるいはどれくらい貯蓄を確保しておくべきかが見えてきます。

奥山FP：ライフプランって、支出の計画だけじゃなく収入の変化も想定してこそ活きるんですよね。ここを軽視すると、あっという間に家計が苦しくなるので注意が必要です。

3歳差育児の大変さは、体力面と金銭面で大変な時期が異なります。

3歳差育児で、体力的に最も負担が大きいのは乳幼児期です。

下の子が乳児期のときは夜泣きや頻繁な授乳、オムツ替えなどで睡眠時間が十分に取れず、2人の子供の育児と家事の両立で疲労がたまりやすいです。

上の子のイヤイヤ期も重なるため、精神的にも大変な時期が続きます。

子どもが成長し言葉でのコミュニケーションが取れるようになると、少しずつ育児の負担は軽減されていきます。

一方で金銭的な負担が大変なのは、中学生から大学生までの期間です。

3歳差の場合、兄弟の入学や受験の時期が重なりやすく、授業料や塾代、制服代などのまとまった金額が一気に出ていきます。

特に私立学校や大学進学のときは費用が高額になるため、家計への影響が大きくなりがちです。

このように3歳差育児は、体力的な大変さが落ち着いたあとは、教育費の経済的な大変さ待っています。

3歳差育児を乗り切るコツと工夫すべきポイントは以下の3つです。

• 育児や家事の負担を減らす
• ストレス発散をする
• 教育資金は計画的に準備する

3歳差育児は、体力的にも精神的にも負担が大きくなりがちです。

ここでは、3歳差育児の負担を軽減し、毎日を無理なく過ごすために特に意識したい3つのポイントを紹介します。

育児と家事を両立するのは大変ですが、すべてを1人で抱え込んだり、完璧にこなしたりする必要はありません。

育児や家事の負担を軽減できる方法は、以下のとおりです。

• 家族と家事や育児を分担する
• 便利家電を積極的に活用する
• 宅配サービスを利用する

例えば、夫がゴミ出しやお風呂掃除、洗濯物の取り込みを担当し、ママが食事の準備や子どもの送り迎えをする家庭もあります。

また、子どもにも簡単な家事を手伝ってもらうと、自立心も育ちます。

幼児ならタオルをたたんだり、おもちゃを片付けたり、小学生なら食器運びや簡単な掃除を任せられます。

また、家事の自動化や宅配サービスの利用もおすすめです。

食洗機やロボット掃除機を活用すれば、手間を大幅に減らせます。

買い物に関しては、重い米や野菜を宅配サービスで注文したり、冷凍食品や作り置きを活用したりすると調理や片付けの時間が短縮可能です。

忙しい日々のなかでこうした工夫を取り入れると、心身の余裕が生まれ、ゆとりをもって家事や育児ができます。

育児のストレスをため込まないためには、日常生活のなかで自分の好きなことに時間を使うことも大切です。

例えば、子どもが昼寝している間にお気に入りの音楽を聴いたり、軽いストレッチやスクワットで体を動かしたりするだけでも気分転換になります。

さらに、夫や両親に子どもの世話を頼んで、1人でカフェに行ったり読書をしたりする時間を持つこともおすすめです。

そして何より、質の良い睡眠をとることが心身の回復には欠かせません。

寝る前にスマートフォンやテレビの使用を控えるなど、短時間でも深く眠れる環境づくりを心がけましょう。

こうした小さなリフレッシュや休息を意識的に取り入れると、育児の疲れを和らげ、気持ちに余裕を持って毎日を過ごせるようになります。

3歳差育児では、子供2人の教育費が同じ時期に重なるため、早めに資金計画を立てることが重要です。

例えば、児童手当を教育資金用の口座に貯めておくと、将来の入学金や授業料、塾代などのまとまった出費に備えられます。

上の子が高校受験を控え、下の子が中学校に入学するタイミングが重なる家庭も多く、数十万円単位の費用が一度に必要になることも珍しくありません。

こうした負担を軽減するために、児童手当の貯蓄以外にも学資保険を利用したり、定期預金で計画的に貯めたりする家庭も多いです。

教育資金を計画的に準備すると、将来の出費に備えられ、安心して子育てに取り組めます。

3歳差兄弟の育児では、教育費や生活費が同時期に重なることが多いため、事前にライフプランの作成がおすすめです。

具体的には、子どもたちの進学時期や習い事、塾代などの支出を見える化し、いつどのくらいの費用がかかるのかを把握します。

例えば上の子が大学受験を控え、下の子が高校に入学するタイミングの出費を前もって予測し、収入や貯蓄のバランスを考慮した計画を立てると、無理のない資金準備が可能です。

教育費のピークを見越して節約や貯蓄額を検討し、家族で将来の資金計画を共有しておくと、急な出費やライフイベントにも柔軟に対応できます。

こうした準備があれば、精神的にも安心して教育費のピークを迎えられます。

3歳差育児のデメリットを知りたい人が疑問に思っていることは以下のとおりです。

• 2歳差と３歳差、4歳差で迷っているのですが、違いは何ですか？
• 3歳差兄弟にするには2人目の子作りはいつから？計算方法を知りたいです。

兄弟の年齢差によって、育児の大変さやメリットは変わってきます。

2歳差の場合は子ども同士の年齢が近いため、一緒に遊ぶことが多く、兄弟の仲が深まりやすいです。

また、入学や卒業の時期がずれるため、受験や学校行事の負担が分散されるメリットもあります。

デメリットは、上の子がまだ小さいうちに下の子が生まれるため、体力的な負担は大きくなりやすい点です。

3歳差の場合は、幼稚園や小学校の入園・入学が重なる場合が多く、スケジュール調整や教育費の負担が集中がデメリットといえます。

しかし、2歳差と比べると育児の負担が少し軽くなる場合が多いです。

4歳差以上になると、上の子が自立している場合が多く、下の子の育児に集中できるのがメリットです。

さらに、教育費のピークがずれるため、家計の負担が分散されます。

ただし、兄弟同士で遊ぶ時間が減ることや、家計への負担が2歳差や3歳差に比べて長引く可能性が高いです。

どの年齢差がよいかは、体力面や経済面、兄弟の関係性を考えて決めましょう。

3歳差の兄弟、つまり3学年差の兄弟を希望する場合、2人目の妊娠時期の正しい計算がとても重要です。

日本の学校では、4月1日から翌年3月31日までに生まれた子どもが同じ学年になります。

そのため上の子の誕生月を基準に学年区切りを考慮し、3学年差になるための下の子の出産予定月を決めます。

上の子が2023年から2025年に生まれの場合の目標出産月と妊娠開始時期は、以下のとおりです。

例えば上の子が2023年1月生まれの場合、3学年差を目指す下の子は2024年6月～2025年5月の間に妊活を開始し、2025年4月～2026年3月の間に出産する必要があります。

妊娠開始時期の目安を参考にしつつ、個人の体調や医師の指導にしたがって計画を立てましょう。