

この記事の監修者 井村 那奈 フィナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナー。1989年生まれ。大学卒業後、金融機関にて資産形成の相談業務に従事。投資信託や債券・保険・相続・信託等幅広い販売経験を武器に、より多くのお客様の「お金のかかりつけ医を目指したい」との思いから2022年に株式会社Wizleapに参画。
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この記事の目次
ドルコスト平均法は意味がない?デメリットは?
そこで、ドルコスト平均法のデメリットを次の3つ紹介します。
- 右肩上がりの相場では一括投資に劣る
- 手数料がかさむ傾向がある
- 短期間では大きな利益を期待しにくい
右肩上がりの相場では一括投資に劣る
右肩上がりに上昇する相場では、最初にまとめて投資した方が、最終的なリターンが多くなる傾向にあります。
毎月少しずつ買い付けるドルコスト平均法を使うよりも一括投資が向いている相場もあるのです。
手数料がかさむ傾向にある
次のデメリットは、手数料が高くなる傾向にあることです。
特に注意すべき手数料として、信託報酬が挙げられます。信託報酬とは、投資信託の運用のために信託財産の中から支払われる費用のことです。
毎日、基準額が更新されるたびに自動的に資産から差し引かれているため、自分で手続きをして支払う必要はありません。
例えば、信託報酬0.1%の投資信託を100万円分、1年間保有していたとしましょう。信託報酬は以下のように計算できます。
100万円×0.1%=1000円
また、信託報酬0.5%の投資信託を100万円分、1年間保有した場合にはこのように計算できます。
100万円×0.5%=5000円
実際には基準額は毎日変化するため、基準額に信託報酬の割合を掛けた金額を日割りした額が差し引かれます。
1年間で数千円の差であっても、長期運用を前提とした場合には最終的な資産額に影響するため、投資先を選ぶ際には注意して確認しましょう。
短期間では大きな利益を期待しにくい
ドルコスト平均法のデメリットとして、短期間の投資では大きな利益を期待しにくいことが挙げられます。
最低でも5年~10年、さらには20年、30年と地道に積み立てることでドルコスト平均法のメリットを生かすことができ、複利効果が大きくなっていくでしょう。
ドルコスト平均法のメリットは?
- 高値つかみのリスクを軽減できる
- 少額から始められて継続しやすい
- 相場の値動きに神経質にならずにすむ
高値つかみのリスクを軽減できる
高値つかみとは、株価が高値のときに購入し、その後は値下がりして安値でしか売ることができない状態のことを指します。
ドルコスト平均法を利用して定額で積み立てれば、株価が高くなっているときには少しだけ買い、値下がりしているときは多く買うことになるため、長期的にみると購入価格が平準化され、リスクを抑えることができます。
少額から始められて継続しやすい
投資初心者にとって、数十万円~数百万円を一括で投資するのはかなりハードルが高いでしょう。
ドルコスト平均法を使えば、まとまった資金がなくても毎月の余剰資金で気軽に投資を始められます。
相場の値動きに神経質にならずにすむ
毎月一定額を積み立てることで買い時かどうか悩む必要がなくなるため、相場の動きに神経質にならずに済みます。
定額積み立ては精神的にも余裕をもって投資を続けられる方法です。
無料FP相談を活用して、あなたにぴったりの資産運用方法を見つけよう

ここまででドルコスト平均法には意味がないといわれる理由と、ドルコスト平均法のメリットをお伝えしました。
投資スタイルによって最適な運用方法は異なりますが、自分にぴったりの投資法を見つけるには、FPに相談するのが近道です。

ドルコスト平均法に向いている人は?
- 投資初心者の人
- 毎月の収入から一定額をコツコツ積み立てたい人
- 長期的な視点で資産形成をしたい人
投資初心者の人
投資初心者の人にドルコスト平均法は向いています。
- いつ買っていつ売ればいいかわからない
- まずは少額から始めたい
- 毎日相場を気にして一喜一憂したくない
毎月の収入から一定額をコツコツ積み立てたい人
- まとまった資金がない
- いきなり大きな額を投資するのは不安
- 貯金感覚で投資してみたい
このように考えている人に、定額積み立てがおすすめです。
リスク対策として、1種類の株や投資信託のみを購入するのではなく、複数の金融商品を組み合わせて購入してみてください。
長期的な視点で資産形成をしたい人
5年から20年、30年と、長期的な視点で資産形成をしたい人にドルコスト平均法は向いています。
少し先の教育資金や、数十年先の老後資金などに備えて、長い期間でリスクを抑えて投資可能です。
【まとめ】ドルコスト平均法は「意味ない」のではなく「使い方次第」

この記事では、ドルコスト平均方が意味ないといわれる理由として、右肩上がりの相場では一括投資の方がいいこと、手数料がかさむ傾向にあること、短期的な投資では利益を出しにくいことを挙げました。
一方で、初心者が定額積み立てをして長期的に運用する場合にはドルコスト平均法は非常に有効です。
自分に最適な資産運用の方法を知りたい場合には、マネーキャリアのFP相談を利用してみてください。
家計の状況やライフプランに合わせて、無理のない資産形成の方法を提案してもらえます。
